D.gray-manー2人で歩く道 (ページ10)

今日:28 hit、昨日:7 hit、合計:27,999 hit

蝋花の答え② ページ10

蝋「Aさん…私、お2人のこと応援してますから！ずっと支えます。」

抱きしめられながら、蝋花はそう告げた。

『うん…！蝋花ちゃんなら頼もしいや』

ーーこの子は、なんて強いんだろう。

まさか笑顔で返事が来るとは思っていなかった。

…絶対、辛い思いをしているはずなのに。

『…それじゃあ、私そろそろ行かなくちゃ。話、聞いてくれてありがとう。』

蝋「はい！本部でもお体に気をつけて頑張って下さい！」

『うん、蝋花ちゃんも！…じゃあ、またね！』

手を振りながら、Aは方舟の方へと戻って行った。

～～

ーーAが戻ってからしばらく経っても、蝋花はその場を動こうとしなかった。

李「…あっ、蝋花！戻ってくるのが遅いから心配してたんたぞ」

蝋「李佳…ごめん…」

李「Aちゃん、もう帰ったんだな。…蝋花？」

彼女は力が抜けたかのようにその場に座り込んだ。

李「おっおい…！大丈夫か！？」

李佳が心配そうに顔を覗き込むと、その瞳には大粒の涙が溜まっていた。

李「…我慢、してたんだな」

優しく彼女の頭をポンポンと叩く。

蝋「だってっ…目の前で私が泣いたら…Aさんは絶対気を使っちゃうからっ…

ウォーカーさんを幸せに出来るのは…っ…
私じゃないんだっ…

…それは…あの時から…なんとなく察してた…
なのにっ…今更こんなに辛いだなんてっ…」

声に出して涙を流す。
そんな彼女を李佳は優しく抱き締めた。

李「ーーお前は、ちゃんとウォーカーの力になってるよ。Aちゃんも、お前には凄く感謝してるって言ってた。

ーー本当に強い奴だよ。
だから、これからも前を向き続けていこうぜ。」

蝋「…うんっ…」

蝋花のアレンに対する想いだって、決して弱いものではなかった。

ーーそれでも、実らないことだってあるわけで。

彼の幸せを望む一方で、側にいられるのが自分ではない、という事実がどうしても心に刺さる。

この悲しみを乗り越えるには、まだまだ時間がかかりそうだけれど。

大切な2人を支えていく為に、強くなろうと彼女は決意した。