【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女 2

488. 嫌味ったらしい ページ41

來「も、もう調子良くなったんで、今から体育館に行こうと思って……」

及「へえ〜」


意味あり気な笑みを浮かべて、來埜崎さんに近づく及川さん。

先輩相手に堂々と嘘をつく來埜崎さんも、なかなか凄いとは思う……。


及「そんな走るほど急いでくれるなんて、よっぽど仕事したいんだね。ああ、そっか、今まで休んでた分申し訳なくてやろうとしてる？」


なんか……嫌味ったらしいな、この人。

怒らせたら怖い以前にめんどくさいやつだ。

青城の人たちが、及川さんのことをいつも軽くあしらってるけど、それがなんとなく分かった気がする。

まあ、多分本人はワザとなんだろうけど。


及「それに、なんで先輩マネちゃんを突き飛ばす必要があったのかな？一緒に仲良く来れば良くない？」


それは最もな話だ。

白福さんを突き飛ばした時点で、何かやましいことがあるのは明白なのだから。

これでもう、來埜崎さんに言い訳のチャンスはなくなった。

いや、もとからなかったと言えばなかったんだけど。

はあっと大きく息を吐いた來埜崎さんは、諦めたように目を閉じた。


來「分かりました……じゃあ、マネージャー辞めます。それでいいですよね？」


木兎さんでも他の誰でもない、俺の方を見てそう言った來埜崎さん。

木兎さんが主将なのだから、本当は木兎さんに言うべきことなんだけど、俺に尋ねるのも分からなくはない。

あの人、感情任せなところあるしな……。

いや、木兎さんの悪口を言いたいわけでなく、それだけ來埜崎さんは真剣なんだ。

本気でマネージャーを辞めようとしている。

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