【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女 2

485. 犯人の動機 ページ38

赤「あの、ちょっといいですか？」


俺の推理で進んでいったところで、突然赤葦君が手を挙げた。


赤「あの、犯人の目星がつき始めてるところ悪いんですけど、來埜崎さんが若葉さんに嫌がらせをする動機、分かってませんよね？」


他校の先輩相手にここまでハッキリものが言えるのは、すごいことだ。

確かに、このまま進めば來埜崎さんがAちゃんに嫌がらせをした犯人になってしまう。

でも、赤葦君の言う通り、そうする動機がないのだ。

むしろ、自分がサボりたいなら他のマネージャーに倒れられては困る。

そう思ったら、犯人とは言いきれなさそうだ。

でも、それを言ったら他の人にも動機はないんじゃないのかな？

俺たち選手はバレーの練習に精一杯で、正直他校のマネージャーがどんな人かなんて考える余裕もない。

マネージャー同士のトラブルってのが1番の筋だけど、そんな酷いやり方をするほどのことがあったようには見えない。

まあ、マネージャーの行動を全て把握してるわけじゃないから、俺たちは何も言えないんだけどね。

となると、どうしても來埜崎さんがやったようにしか見えなくなってしまう。

証拠がないだけで、薄々は皆も思ってるんじゃないかな？

來埜崎さんがサボっていたことを知っていた赤葦君が指摘するくらいだから、正直言って申し訳ないけど。


黒「動機は簡単には分かんねえだろ。そいつにも、何かあったのかもしんねえし。そこは、俺らが予測立てられる範囲じゃねえよ」


黒尾クンも似たようなことを考えてたみたいだ。

赤葦君もそれに納得したようで、「それもそうですね」とあっさり引き下がった。

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