【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女 2

470. 取るべき行動 ページ23

赤「あの……俺からも、すみません」

黒「赤葦……」


俺は、青城の2人に頭を下げた。


赤「俺も、薄々気づいていました。でも、誰にも言いませんでした。確信が持てないまま、1日目の時のように学校同士で衝突するのは避けたかったからです」


本当は、自分の中ではほぼ確信していた。

でも、証拠という証拠がない。

あるのは自分の目で見たものだけ。

そんな抽象的なものを証拠に誰かに言ったところで、信じてくれるはずがない。

特に、1日目に青城の及川さんと衝突した木兎さんには、絶対言えなかった。

俺の頭の上で、及川さんが大きくため息を吐いた。

当然だ。こんなこと、副主将が取るべき行動じゃない。

もっと迅速にやろうと思えば出来たはずだった。


及「岩ちゃんも赤葦君ももうやめてよ。謝らないで」


及川さんの口から出てきた言葉は、自分がまったく想像していないものだった。

もっと怒られるかと思ったのに……。


及「また上手く嵌められたね……。まさか、1日目のあれが、そのままここにも続いていたなんて。確かに、また木兎君とぶつかるところだったかもしれない。そのことを考えると、2人の判断は正しかったんだと思うよ」


及川さんは、さっきよりも少し表情が和らいでいた。

人の分析に長けている及川さんの言葉に、俺は少なからずホッとした。

ちゃんと説明すれば、お互い理解し合えるはずなんだ。

それなら、木兎さんだってきっと……。

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