【HQ】鈍感少女 vs 仮病少女 2

468. 覚悟を決める ページ21

及「待って、人の倍やってたってどういうこと？」


やはりというべきか、及川さんが真っ先に反応した。

横で岩泉さんも渋い顔をしている。

もう言い逃れは出来ない。


赤「及川さん、岩泉さん、すみません……」


俺は、2人に頭を下げた。


赤「うちのマネージャー、ずっと仮病でサボっていたみたいなんです。その代わりを、若葉さんが受け持っていたらしくて……」

及「何それ……」


及川さんの低い声に、俺は罵倒されることを覚悟した。

当たり前だ。

大事なマネージャーが倒れた原因を作ってしまったのだから。


及「もしかして、そのことも知ってたのに黙ってたりしてないよね？」


及川さんの顔が、悔しそうに歪んだ。

この人は本当に仲間思いの人だ。

だからこそ、主将である自分が知らないところで部員絡みのことがあるのが嫌なのだ。

もちろん、心配と責任感があるからなのだが。

及川さんにこんな顔をさせたくて黙ってたわけじゃないけど、他の後輩たちの前で木兎さんと喧嘩するよりはまだいいんじゃないかと思ってしまう。

再び謝罪の言葉を言おうと、口を開きかけた時だった。


岩「及川……ちょっと待ってくれ」


岩泉さんが、及川さんの腕を掴んで止めた。

これは、岩泉さんにガツンと言われるパターンなのだろうか？

どちらにしろ、怒られることに変わりはないだろう。

俺は、次に飛んでくる言葉をいくつか想像して覚悟を決めた。

こうなってしまったのは、俺たち梟谷の責任なのだから。

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