検索窓
今日:23 hit、昨日:41 hit、合計:241,736 hit

462. 呼ばれることさえも ページ15

咳に再び意識が戻ると、周りの音があまり聞こえなくなって、気づくとバタバタと数人が走ってくる足音が聞こえてきた。


岩「A!」

及「Aちゃん!」


ハジメと徹……。

ハジメと喧嘩してから、2人とはあまり話さなくなっていたから、名前を呼ばれることさえも久しぶりな感じがする。


赤「良かった……お願いします」

岩「ああ、悪いな」


赤葦さんからハジメへ引き取られ、吸入器を使って呼吸を整える。


及「Aちゃん、ゆっくりだよ〜」


いつもはムッとしたくなる徹の声も、今だけはとても安心できた。

どうやら青城の皆が全員来たみたいで、咳が治まってくると、金田一や国見、他の先輩たちの姿が徐々に見えてきた。

皆、心配そうな目で私を見てる。


灰「黒尾さーん!水買ってきました!」

黒「おう!ありがとな、リエーフ、チビちゃん!」


さっきよりかは落ち着いたクロの声が聞こえた。

でも、せっかくで悪いけど呼吸が落ち着かないと水は飲めない。

逆に飲むとむせちゃうから。

私の発作は、吸入器を使えば割と咳はすぐに治まるんだけど、その後呼吸を整えるのが大変。

過呼吸になることもあるし、疲れてそのまま倒れてしまうことも多い。

きっと、今回もそんな感じだ。

酸素が足りないような感覚。

吸わなきゃ苦しくなるはずなのに、吸っても吸っても苦しいまま。

こういう時は深呼吸するんじゃなくて、吐く方を多くするんだよって昔言われたけど、吸ってから吐くという呼吸の仕方を、この状況では簡単に変えることは出来ない。

故に、どうしても吐くより先に吸ってしまう。

だから、苦しいのが治まらない。

周りの声もだんだん掠れてきて、瞼が重くなる。

このまま死んでしまうんじゃないかという少しの不安と一緒に、私は意識を手放した。

463. その立場じゃない→←461. 結局……



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (163 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
296人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

naonao(プロフ) - 続編多くて嬉しいです。応援してます! (2021年10月5日 5時) (レス) id: d20e044f3d (このIDを非表示/違反報告)
なな - めっちゃおもろいです!これからも応援してます!やっぱりり夢小説は、ハイキューだよねー (2020年10月19日 22時) (レス) id: e8db370297 (このIDを非表示/違反報告)
好きな給食はポメラニアン - あと、ログインが勝手に消えてて、再ログインしようとしても無理なんですが、どうすればいいですかね? (2019年9月2日 22時) (レス) id: 942676f078 (このIDを非表示/違反報告)
好きな給食はポメラニアン - ずっとめっちゃ応援しています!あと投稿の一番下で、用事が多いみたいなのでくれぐれもお身体、壊さないでくださいね。 (2019年8月30日 23時) (レス) id: 0a1a50f965 (このIDを非表示/違反報告)
- 遅れました、続編おめでとうございます!これで12作目ですねw毎日更新お疲れ様です!頑張ってください! (2019年8月21日 17時) (レス) id: f2ddedb80a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くれは* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年8月8日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。