じゅうご ページ16
校門前____
話し声が聞こえる
及川さんがいそうなところを考えて回ったがおらず、俺は思いついた
烏野に嫌がらせしに行ってるんじゃないか、と
……ビンゴ
校門で烏野と喋っている及川さんにズカズカ近づいていくと俺に気づく
「レシーブは一朝一夕で上達するもんじゃないよ…… あ!Aくん!どうしたの!?」
「アンタが片付けもしないで烏野に嫌がらせしてるから岩泉さんに連れ戻して来いって言われたんですけどなにか?」
「なにもありません」
イラつきMaxで及川さんに文句を言っていると烏野をこの人が引き止めていたことを思い出す
急いでそちらに向き直り、一礼。別に俺が謝る必要ないケド。
「あ、すみませんこの人が。ほんとに」
「い、いえいえ」
「お構いなく………」
ほんとになにしてんだよこの人
嫌味言ってる暇あったら片付けしろや
と続けて及川さんに文句を言っていたら、さっき目があったM字くんが声を上げた
「あ、あの!!俺、影山飛雄ッス!中学の時何回か試合したことあるスけど…覚えて、ますか…?」
「えっ、と…ごめんなさい。覚えてません」
「ブッフ!飛雄ドンマイ!!プックククク」
すみません…
覚えてないなぁ、なんか花巻さんにも同じことしたしなぁ
デジャヴ
「俺!アンタとまた試合したいってずっと思ってたんスけど、なんで今日は試合に出てなかったんスか?」
「え?あぁ、俺バレー部じゃないから」
「え。え?じ、じゃあバレーはもうやってないんスか!?」
「うん」
「な、なんで!?あんなに上手いのに!?」
「俺はさ、期待されることに疲れたというか、期待に応えるのに疲れたというか………
だから、バレーはやめた」
「………え?」
「やめたつもりだった。なのに、今日の試合見てたらちょっとやりたくなった」
本当にちょっとだけ、内に籠る熱に身慄いした。
スパイクを打った時の手の感覚、レシーブをした時の腕の痛み、サーブの時の鳥肌が立つような高揚感、相手の悔しそうな顔、必死にボールをつなぐ会場の全員
全部、全部思い出した
「それって、Aくんはバレー部に………」
「………少し、時間をください」
「いいよいいよ!!全然いつでもウェルカム!!」
パァァァと花が咲くように及川さんが喜ぶ
調子のイイヤツとでもなんとでも思ってくれ。あんなにあっけなく終わりを迎えたと思っていた俺のバレーは、彼らに再び火をつけられた。
それから、
「ねぇ、君」
「えっ、俺?」
「うん。君、名前は?」
「ひ、日向翔陽です!!」
彼を指さしたあと烏野の方を向く
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はつね(プロフ) - 男主かな?めっちゃ面白い! (2020年10月24日 7時) (レス) id: d82ff4a995 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なバカ - 英との関係とかすごく良いと思いました。面白いです。これからも更新頑張って下さい。 (2020年4月12日 22時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
ぜる - ツインズカワヨイ...。読みやすくて、今は誰が話しているかとても分かりやすかったです。 (2020年4月12日 17時) (レス) id: 725efa7c46 (このIDを非表示/違反報告)
風華(プロフ) - 誰がなにを言ってるかわかりにくいので、カッコの前に名前書いて欲しいです。 (2020年1月3日 11時) (レス) id: a3f48bb6df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮 | 作成日時:2020年1月2日 3時