episode8 ページ10
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『…買い物、ですか?』
「あぁ。首領からエリス嬢が茶会で着る服を買ってくるよう頼まれたんだが、何が何だかさっぱりでな…。こういうのは、俺なんかよりAの方が適任だろ?代わりに買ってきてくれねぇか?」
『はい、喜んで!』
買い物はあまり得意な方ではないが、中也さんに頼られたのが嬉しくて。
それはもう、十分過ぎるほどに気合を入れて街へと出かけて行ったのだがーーー
『……財布忘れた』
肝心の財布を部屋に置いてくるという失態を犯した。
首領に電話でそれを伝えたところ、まぁ顔面を一発殴ってやりたいと思うくらい馬鹿にはされたが特にお咎めもなく。
後日首領とエリス嬢と一緒にショッピングすることを条件に 今日はこのまま街で休暇も兼ねてのんびりしてよし、とのこと。
思わぬ休暇は胸を躍らせるほど嬉しいが、後日のショッピングを考えると胸が痛い
40代そこらのおじさんが幼女の服を楽しそうに買うのを見るのはだいぶきついものがある。
『……とはいえ、せっかくの休みなわけだし。楽しまなきゃ損だよね』
お金も無いので行くあても無く。
ただ何となく、ふら〜っと店に立ち寄っては何も買わずに店を出て、また立ち寄っての繰り返し。
ただの時間潰しのように思えなくもないが、気づけば日は落ちかけていて。
『そろそろ帰ろうかな』
そう思った時ーーー
「あ、あのっーー!」
背後から声をかけられた
ついでに云うと腕も掴まれた
振り返るとそこに居たのはいつかの空腹少年もとい70億の懸賞金をかけられた人虎くん。
「もし良ければ、お茶しませんか?この間のお礼、させてください」
『………………はい?』
日が落ちそうな、こんな時間帯からお茶?
名前も知らないような女と、お茶?
マフィアと探偵社が……?
様々な疑問は出てきたものの、どれも直接相手に問われることはなく…。
「あ、もしかして用事あったりしました?」
今更ながらにそう申し訳なさそうに尋ねてきた人虎くんに、首を振って否定する
『いや、用事はないけど。私今完全に無一文状態だけどそれでもいいなら喜んで』
微笑んでそう云えば 人虎くんは瞬きを何度か繰り返した後、“最初から奢るつもりですよ”とくすりと笑って答えた
『龍之介を散々に
少女の呟いた一言は突然吹いた一際強い風のせいで 少年には届かなかった
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きなこもち(プロフ) - わたあめさん» ブックマンJr.放置していてすみません。最近自分でも迷走しててどこに突っ走っているのかわからなくなり放置状態にしてました。真逆更新待って下さる方がいるとは思わず・・・。でも、とても嬉しいお言葉です!頑張って今月中に更新します!! (2017年8月17日 7時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ごめんなさい!生意気言って,,, (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - ブックマンJrの少女も更新して欲しいです!! (2017年8月16日 21時) (レス) id: 8f5f7e0649 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - 赤雲蒼雲さん» 赤雲さん、ありがとうございます!とっても励みになりました!!更新とってもノロノロですが、これからも面白いと思って頂けるよう頑張ります! (2017年4月22日 19時) (レス) id: d6a64bf75c (このIDを非表示/違反報告)
赤雲蒼雲 - 面白かったです!更新頑張ってください! (2017年4月17日 11時) (レス) id: 08e4520087 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きなこもち | 作成日時:2017年1月2日 21時