検索窓
今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:51,409 hit

第32話─姐さん─ ページ33

A_side

「はぁ、」


久しぶりに精神的な高低差に何故かどっと疲れが出て、ため息を吐いた。フラフラの躰でマフィアに戻り、自室に行き、マフィアの恰好になる。


「......だる、」


「太宰?」



その声に振り向く、自分は目を見開くが、通常の顔に戻し、その人の名を呼んだ。


「姐さん、太宰だけど、僕はAだよ、」


「おや、Aか、すまないのぅ、あまりにも太宰と似ておったものでの〜」


姐さんまでそう云う・・・・・・。

着物の裾で紅い口元を隠しながら、上品に嗤う尾崎紅葉幹部こと、姐さん。


女性なのに、私より身長が高く何時も疲れた時は失礼ながら抱きついている。まるで、母の様な温もりで落ち着くからだ。


私はとてとてと、何も云わずに高い上品な着物に顔を埋めた。


尾崎「なんだ、今日は甘えたい時なのかの?愛しAや」

まるで、我が子のように抱きしめてくれる。それに甘える自分も自分だが、馬鹿らしいが心を擽られるように温かい。


「なんかね、18にもなってるのに、すみません」


尾崎「謝らなくて良い、(わっち)にとってはまだまだ子供じゃ、少し疲れておるんやろ?少し茶でも飲んで行かんか?」


「うん、行く」


優しい声色で着物を(ひるがえ)し、私はその後ろを着いていく。


姐さんの執務室に着いて、ソファに座る。そして、目の前には鼻をくすぐる温かい茶と目の前には菓子が置かれていた。


姐さんは私の目の前に座り、両手で茶を持って口元に運ぶ。私はそれを見届けたあと、茶を飲んだ。が、熱くて舌を火傷した。


「アチッ・・・!?」

尾崎「ふふっ、そんなに慌てなくても茶は逃げて行かぬ、ゆっくり飲むが良い」


「あちぃ〜えへへ、はい、」

少しフーフーと、息で冷ました後、ゆっくり少し警戒しながら飲んだら、丁度いい熱さで身も心も温まる。


尾崎「鴎外殿から何か任務が来とるらしいじゃないか、太宰の見張りをする役だとか」


「そうです、おかげで、兄のせいで毎回上司のような人に怒られるし、相変わらず入水はするし、マフィアの仕事より大変ですよ」


コトリと音を立てて茶を机に置く。姐さんは私を見て、微笑みながら目を細めた。


尾崎「おや、そうなのかえ?てっきり仲良くやってると思ったのじゃが、それは・・・大変だのう」


「ホント、」


尾崎「だが、久しぶりに兄に会えたのだろ?姿をくらましてから三年以上も」

第33話─涙─→←第31話─賢治が2人─



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは・・・?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん!!コメントありがとうございます!一気に読んでくださったんですか!ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました!更新楽しみにしてます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/  
作成日時:2021年8月14日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。