第11話─まるで─ ページ12
中也_side
俺がたまたま、マフィア内を歩いて執務室に行こうとしてた時、銃声が聴こえたと思って身構えた途端。誰かが嗤う声がした。其れは聞いたことある声なのに、狂気に笑ってて一瞬誰だか分からなかった。
舌打ちをして、向かうと、黒い長外套を肩にかけて右手には銃を握った奴に、銃口を向けられて怯む黒服の男。其奴の下には赤黒い血が床を濡らし、辺りには嗅ぎ慣れた鉄の独特の臭いがした。その血の正体である転がってる死体は、黒服の一人だった。
俺は何も言わずに、外套男の銃を蹴りあげて遠くにぶっ飛ばした。
俺の姿を見ずに、陽気な声で俺の名を云った。まるで、"彼奴"のようだった。いや、俺は一瞬"彼奴"かと思った。目の前にいる奴は彼奴ではなく、彼奴の弟だ。
「やぁ、中也」
「手前、部下を殺しすぎだ、いい加減にしろ」
俺が、足元に転がる死体を俺は蔑んだ目で見下ろした。そして、当の本人は俺の言葉に驚いたのか目を見開いて1つ息のように口から笑みを零した。
「殺しすぎ?─────...ポートマフィアの威厳として、そんなの野放しにしていいの?悪い子にはお仕置が必要でしょ?
糞青鯖に似てて、狂気の笑みにまるで彼奴の生き写しのような、昔彼奴が云ってたような言葉を俺に云ってきた。
「あぁ、確かにその通りだ、だけどな、此処で殺すのは間違ってる、やんなら地下牢でやれよ、此処でやったら
その言葉に此奴はふっと微笑んだ。
「其れは嫌だね、辞めとくよ、」
俺を見つめた。その目は優しく、憎悪も無くまるで純粋にだけど、目の前にいる奴に向き直ったら、目から光が消えた。優しかった笑みはいつの間にか狂気の笑みへと変わった。
「君には忠告という形にしとくよ、中原幹部に感謝しときな、君は本当は此奴のように肉の塊のように殺され、棄てられる処を中原幹部が止めてくださった。中原幹部が居られなかったら貴様は土の下、いや、地獄だったかもだからな?」
そう云ったら踵を返すように、外套を翻して俺たちに背を向けて、俺が蹴り飛ばした銃を拾って姿を消した。
俺は黒服の男が、気を抜かしている処に一発黒服の顔に拳を入れた。
驚いて腰を抜かして俺を見る。俺は其奴に舌打ちをした。根性が腐った奴は俺は嫌いだからな。
74人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは・・・?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん!!コメントありがとうございます!一気に読んでくださったんですか!ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました!更新楽しみにしてます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2021年8月14日 0時