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静かな谷底 ページ45

大勢の受験者がクモワシの糸につかまる

その中には

「へへっ、お先に!」

風が吹いてくるのを待てず

先に飛んでしまう者もいた

それを見たレオリオが

「俺達も行くか」

と言うが

「今飛んじゃ駄目だ」

ゴンは下を見ながらそう答えた

えっ…………

てことはさっきの人は……

ついそう考えてしまった

結論に至るまでは早く

背筋がゾッとし

糸から手を離してしまった

「あっ……」

「A!」

ゴンがそう言って私に手を伸ばすがあともう少しというところで届かない

自然と私の手はキルアの方に向いていた

キルアはそれに答えるように

__パシッ___

私の手を掴んだ

あの謎の恐怖心は生命の危機だからか

不思議と感じなかった

寧ろ安心感があった

ゴンはそれを見て一安心といった感じで深く息を吐いた

「ったく、危ねぇな! もし俺がいなかったらどうするつもりだったんだよ!」

キルアには叱られた

「あはは、ごめん」

それでも尚ヘラヘラと笑っている私にキルアはムカついたのか

私の手を掴んでいる力が強くなった

「い、痛い痛い痛いって!」

思わず涙目になりながらキルアを見ると

キルアは面白いといった顔をして私を見ていた

キルアって絶対性格悪いよね……

「あの、お取り込み中悪いがどうして今飛んじゃ駄目なんだ?」

レオリオがおずおずと聞いた

「風だよ」

やっととの力を緩めたキルアはそう答えた

「風は常に吹いてるわけじゃないからな」

さらにクラピカがそう言ったとき

「うわぁあああ」

下から絶叫のような悲鳴が聞こえた

恐らくはさっき落ちていった人の声だ

「その風はいつ拭くんだよ!」

レオリオは焦ったようすでゴンに聞いた

ゴンは

「待って」

と言って目をつぶった

辺りが静寂に包まれた

皆がゴンに注目しているのがわかった

そのとき

__ミシッ__

「うわっ! なんだ?!」

「この人数の重みで、糸が耐えられないんだ!」

嫌な音をたてながら糸が大きく揺れた

おそらくもう長くはもたないだろう

「ゴン、まだ?」

こんな状況でもキルアは冷静にゴンに問うたが

ゴンはずっと目をつぶっている

__ミシィ__

糸はもう限界だ

「くそっ! 風なんて待ってられるか!」

それに耐えかねた受験者達が次々に糸から手を離し落ちていく

「うわぁあああ」

当然風は吹くはずもなく

受験者達は真っ逆さまに崖の底へと落ちていった

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コップ娘(プロフ) - Skinさん» いえいえ。そんな大層なことじゃないですよ〜。これからも、頑張ってくださいね!応援してます! (2018年1月25日 22時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)
Skin(プロフ) - ありがとうございます!コップ娘さんにそう言って頂けると自身ついちゃいます( ̄^ ̄) (2018年1月25日 22時) (レス) id: 6e41698a9d (このIDを非表示/違反報告)
コップ娘(プロフ) - 設定も物語も面白くて……ごめんなさい文才ないんでうまく言えませんが、とても面白いです! (2018年1月22日 23時) (レス) id: 2eb1e6ecfa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Skin | 作成日時:2018年1月14日 16時

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