【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

影10 ページ39

「早ェとこ捕まえてやりてーとこだが、俺ァストーカー(そいつ)の気配感じたことねーからな。正直こーやって護衛してやるしかねーのが現状でィ」

「それだけでも十分ですよ、沖田さんが傍に居ればストーカーも出てきませんし」


それもその筈。
俺自身がストーカーの正体なのだから、俺が気配感じるわけもねーし、ストーカーが出て来ることもねェ。

Aがその発想に至る可能性も全くのゼロじゃねーし、疑われる前にそろそろ適当な輩でっち上げて事件解決を図るとするか…。


「まぁ根本的な解決にはならないですし、ずっと沖田さんに護衛してもらい続けるのも凄く申し訳ないんですけど…」

「その辺は気にする必要ねーぜ。おめーと居んなァ俺もそれなりに楽しいからねィ」

「ふわッ!?」


サラリとそんなことを言って口角を軽く上げてやれば、Aは顔をこれでもかって程顔を赤くした。
俺がAをストーカーの追跡から助けた風に見せたあの日から、Aは時々俺にこういう表情を見せる。
ちったァ意識してくれてんだと思うと苦労してる甲斐があるってモンだ。


けど惚れた女のこういう顔を見てると、俺ん中のドS心が刺激されてからかいてェ欲が沸き上がってくる。
それで嫌われんなァ御免だし、かといって沸き上がってきた欲求は抑えらんねーから、普段の俺からは考えられねー程控えめに言葉を紡いだ。


「…顔真っ赤」

「あ、あああ暑いからですよ!!ほら、早く帰りましょう!!家に買い置きのアイスがありますから!!」


顔の赤みを指摘してやれば、より濃い赤に色付くAの頬。
気恥ずかしさを振り払うように、Aの歩調が早まった。
最も追いつくのには何ら問題ねー速さだけど。


「おい、着物であんま急ぐと危ねーぜ」

「だ、大丈夫ですって!…って、ちょ!?」


声をかければ案の定。
勢いよく俺の方に振り向きながら足を縺(もつ)れさせたA。
あーあ、言わんこっちゃねェ。

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