【HQ】お……女じゃねえからな！_2

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「マ、マリちゃん」


顔を青くしたマリちゃん


どうしよう

どうしよう、どうしよう？


待って、私、私……酷いこと


「……A君って、え？あ、え？」


焦点が合ってない


ああ、酷く残酷な事をしてしまった


どうしよう、どうしよう


謝っても許される事じゃない


「マ、マリちゃん」


罪悪感が止めどなく溢れてくる


英の事を考える暇なんて無かった


好きで好きで堪らない相手に裏切られる気持ちは私がよく知っている
それなのに私は、それを平然とやっていた


あぁ、ねぇ

どうしよう


どうしようもなく、ここから消えたい


何か言わなきゃ


「……本気で好きなら、男かどうかなんて分かるだろ」


英がマリちゃんに向かってそう言った


気がついたら私の手は動いていて、廊下に響き渡るような音を立てて英の頬をビンタした


手がじんじんと熱くなり、痛くなってくる


吃驚した様子の英


「本気で好きなら、好きな人の気持ちぐらい考えろよ」


私はそう言い捨てた


私の中で英は友達と言う存在から、少しずつ変わってきた


友達ではない

親友ではない

恋愛感情はない


ただたんに、苛ついてしまう


「マリちゃん」


真っ直ぐマリちゃんの目を見つめるけれど、やっぱり焦点は合ってない


短い男装劇だったな


男装した意味は結局無かった


バレー部なんて入らなければ良かった


バレーなんて……


「マリちゃん。話、聞いてください」


泣きそうなマリちゃんの手を取り、私は外へと向かった

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