逃げたいぶりっ子VS逃したくない最強《呪術廻戦》

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五条side




先程までいた如月の部屋を見上げる。





・





五条「あれ？その顔信じてない？だったら行動で示してあげてもいいんだけど」





バルコニーから室内へ足を踏み入れる。





『いや、信じてます。五条君のことは狂信してます！！』





そう言って一歩後退った如月が面白くて、また一歩と近付く。





五条「いい加減名前で呼んで欲しいなぁ…夫婦になるんだし」




『まだ結婚するとは言ってないです』




五条「だったら今言いなよ。高専と違ってここなら絶対邪魔は入らない」





あそこで桃奈が来なければあと二、三回はキス出来ただろうに。





『だって私五条君の顔が好きなだけであって、五条君のことは好きじゃないんだよ！？それでもいいの？！』




五条「！………」





予想外の言葉と照れたような顔に僕はただ驚いて。




咄嗟に言葉を返すことも、間抜けな声を漏らすことも出来なかった。





五条「ふっ…ははは…っ、そういうとこだよ。そういう馬鹿正直で実は真面目なとこが好きなの」





学生時代はそんなこと気にせず付き合おうだとか結婚しようだとか言ってた癖に、いざその話が現実味を持ってくると真剣に考える。




学生時代は本気じゃなかったってことかな。





五条「如月もある種の遊び人だよね」




『はい！？』




五条「僕に素がバレなかったらそんなこと気にせずに今も求婚してたでしょ」




『ギクッ…！！』





熟、本当の如月を知れて良かったなと思う。





『あの…あのぉ…結婚の話はちゃんと考えるので今日はお引き取りくださいませ…！』




五条「えぇ〜？折角いいとこなのに？」




『嫌うぞ！？この野郎っ！！』




五条「…じゃあ帰る。如月に嫌われるのは嫌だし」





・





そして今に至る。





五条「今日は満月か。…明日が楽しみだなぁ」





鼻歌を歌いながら気分良く帰路についた僕の耳に、“如月Aはここにいるのか”なんて不吉な言葉は届かなかった。

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