逃げたいぶりっ子VS逃したくない最強《呪術廻戦》

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『悟くぅん…私に人権ってないのかなぁ…』





五条君に襟を掴まれ引き摺られること数分。




夏油君と硝子ちゃんに面白そうだからという理由で見捨てられた私は、天敵、あるいは捕食者とも言える立場の五条君になす術なく捕まってしまっている。





五条「ここなら邪魔も入らないかな」





私が連れて来られたのは寮の一室。恐らくは空き部屋。





五条「僕のこと眼中にないってマジ？」




『うん、マジぃ…♡』




五条「さっきは僕のこと好きだって言ったのに？」





え？言ったっけ？そんなこと。




もしかしてあまりにも良すぎる顔を見て、好きとか呟いちゃったんだろうか。





『そもそもぉ…人を好きになったことないっていうかぁ…顔と金しか愛せないっていうかぁ…』




五条「金に顔が追加されるんだから冥さんよりもタチ悪いよね、如月って」





それって冥さんのこともタチ悪いって言っちゃってませんかね。五条君。





五条「やっぱり抱くしかな___」




『悟君の顔は好きだよぉ♡』





これから不吉なワードは全部ぶった斬ってやる。




ついでにとことんぶりっ子で応戦してやる。




五条君が幾らぶりっ子に慣れたからって、ずっと耐えることは出来ないでしょ。





『悟君ってぇ、Aのどこが好きなのぉ？』




五条「ギャップかなぁ。意外と人見知りだったり、他人を気遣えたりするじゃん、お前。……あと顔」




『人のこと言えないけどぉ…悟君もなーかなか屑だねぇ♡』




五条「本当に人のこと言えないね」





っていうかちゃんと私のどこが好きなのか考えてたんだな…




これが私を絶望させる為に考えた罠の一つだとしても…というか嘘だとしても少し嬉しいかもしれない。




だって昔は口を開けば死ねとかブスとか言ってきてた五条君が私の好きなところを言ってるんだよ…？嘘でも凄くない…？





五条「取り敢えず結婚しようか」




『結婚は取り敢えずでしてはいけません』




五条「お、ノーマル如月」





ぶりっ子は極めた筈なのに、五条君や夏油君のペースに乗せられると、つい元の口調に戻ってしまう。





『結婚は絶対しないよ。私の夢は叶えなくていいから。だからしません』




五条「あぁ…そんなことも言ったっけ。それ、嘘ってことにしてくれる？」




『え……？』

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