IV - 005 魂の底まで変わるのが本当の洗礼だ ページ27
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「んぶっ！」
木の葉が口の中に入った。舌をざらついた感触がよじ登る。不快感の次に右肘に衝撃。怒涛の攻撃に転んでしまった。立ち上がる暇なく地面が崩れる。落とし穴がと思った時には遅し、お尻から落ちてしまった。
あまりの痛みに咳き込む。どうしてこんな所に罠が、それも狭霧山の物より幾らか難易度の高い物が？ と目を回す。
Aは知らないが実はこの罠、錆兎が「狭霧山だけじゃなくもうひとつ難易度の高い罠の訓練場が欲しい」と切望した為に作られた第二の地獄である。A用には作られていないため本気で容赦がないのだ。まず顔を狙われる。足元を狙われる。殺傷能力の高そ〜な罠が五万とある。尽きない。尽きない。いくら食らっても飛んでくる。
なんとか穴を抜けて地面に立つ。と。
「───！」
目前に先端の酷く尖った竹。
「ぐ、」
咄嗟に仰け反り避けた。がしかし地面からまたもや先端の鋭利な竹が五本生えてきた。
これは避けられない。刺さる。不味い。
「っ………………は…………！」
呼吸を忘れていた。肺が痛い。苦しい。なんだこれは。狭霧山の比にならない。空気が薄いなど関係ないではないか。要は罠の殺傷能力だ。どれだけ相手を追い込もうと作られたかが重要だった。Aが今成長過程での沈み、窪みに蹲って動けないでいるせいもあるかもしれない。しかしそれを加味せずともこの地獄は凄まじい。
凄まじい。死ぬ。かも。
「──────」
死なない為には？ 死を免れよ。
首がかたい。しならせよ。手脚は棒ではないぞ。関節をまげろ。外しても良い。死にたくなければ、生きたいと願うなら地面に手をつけ、両足で反動をつけて後方に飛んでみろ。躱すのではない、通り過ぎるのだ。右に体重を傾けて右手を着いて横転しても良い。しかしその先にも罠の気配があるため、横転してすぐに起き上がれよ。左は駄目だ。網が張られている。
体力に余裕があれば後方に倒立のようりょうで飛び、体力が残り少ないと感じたなら横転しろ。
「おうてっ、い、っ！」
横転した。横転してからすぐに起き上がった。足元に石が降り注いだ。もし起き上がっていなければ食らっていた。
不思議と呼吸は乱れていなかった。発熱したように身体全体が熱く沸騰しているようで、今ならどれだけ遠くの空でも飛んで行けそうな気がした。
「今のは…………？」
Aは全集中の呼吸を使っていた──。
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ミルクリ - 初めまして。とても面白かったです。続きが読みたいのですが�兇離僖好錙璽匹魘気┐討い燭世韻泙擦鵑�？これからも応援しております。 (2021年9月21日 12時) (
レス) id: 9baecbdda2 (このIDを非表示/違反報告)
コア - 面白かったです �兇離僖好錙璽俵気┐督困韻襪藩�難いです (2021年6月29日 20時) (レス) id: cdf587c2d2 (このIDを非表示/違反報告)
莉亜(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！！！続きのパスワードって教えてもらえますかね？これからも頑張ってください (2021年5月14日 22時) (レス) id: 6a10e782a2 (このIDを非表示/違反報告)
me(プロフ) - おもしろくてとまらなくなりました！守護聖人IIのパスワード教えていただきたいです！ (2020年12月15日 20時) (レス) id: 833cf0aedc (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 楓さん» 楓さん、コメントありがとうございます！ひえ〜嬉し過ぎます…！そんな風に言っていただけて後衛の極みです〜！長編が好きなものでこの守護聖人も他作品もすごく長いですが楽しんで頂けたらと思います！短編もあるので宜しければ覗いて行って下さい〜 (2020年3月11日 8時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：糸針
| 作成日時：2019年10月25日 13時
