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少しの間、沈黙が流れたが彼女が口を開いて









「すみません..それ、本当は私が出すべきでしたよね、十四郎さんは忙しいというのに...私、それ出してきますよ」









そういって彼女は離婚届を受け取ろうとして、俺に手を差し出す。俺はそんな彼女の目をまっすぐ見て









「なァ..もし俺が今、お前に結婚するな、って言ったら..お前はどうするんだ、」









「十四郎さんはそんなこと言いませんよ、..それに私は元々政略結婚に追い込まれるような身なので、二度目のこの婚約も定めみたいなものです。それなら私はそれにしたがってこのまま__」









俺は彼女の言葉を最後まで聞くことなく彼女の手を引き、そのまま自分の元へと抱き寄せた









「行かないでほしい、」









彼女を抱き寄せる手に自然と力が入る









「勝手なこと言ってるの十分承知だ、..けど俺はお前をもう手離したくない。側にいてほしい、」









一度は手離した、けどそれで気づいた。俺にとっての彼女とはなんだったか、どういう存在だったか。









「好きだ、..愛してる__」









..そんな言葉を以前は一度もかけてやれなかった。彼女の想いには到底応えることができない、不甲斐ない野郎だった









それは今となってもそうかもしれないが、ただ、それだけは伝えたかった









俺の胸元で彼女のすすり泣く声が聞こえた。..また泣かせてしまった、









彼女は何も言いはしなかった。だが、俺が彼女を抱き寄せる力にこたえるかのように彼女は俺に触れ、その手には俺と同じように力が入ってるように感じられた

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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
- もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時

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