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万事屋の戸の前につくも、中々インターホンを押す手が進まない。...俺は、本当に彼女に会っていいんだろうか、勝手なこと言って彼女を泣かせもしたってのに...
そんなことを思えば思うほど入りづらくなり、帰ろうかとも思った。けど、そういう訳にもいかず...しばらくそこで立ち往生してると、戸が開いて
「あ..、十四郎さん...。人影が見えたので、誰かと思ったら...何か用ですか?」
彼女は一瞬俺を見て目をまるくするも、すぐに落ち着いた様子で俺に問いかける。彼女の素振りは少しどこか他人行儀にも見えた
もう俺を想う彼女はいないかもしれない、...いや、いなくて当然だ。『俺を嫌いになれ』そういったのは俺だ、それに結婚前の彼女にとって俺はもう忘れるべき存在だ
「話がある、...中に入ってもいいか」
彼女はそれを了承し、俺を中に入れた。入ってすぐ彼女は俺に
「お腹..すいてたりしませんか?今、炒飯を作ってて...昼時ですし、良ければ食べていきませんか?」
「おう、...じゃあ頼む。」
しばらくして彼女の作った炒飯が机に運ばれ、
「...十四郎さんは、これでしたよね」
そういって炒飯の側にマヨネーズを置いた。俺はそれに見向きもせず、何もかけずにそのまま炒飯を口の中へと放り込んだ
そんな俺を見て彼女は不思議そうに首を傾げる
「悪いな、今日は気分じゃねェンだ。...お前の料理、相変わらず美味ェな」
そういうと彼女はいつものように微笑んで
「そうですか、..ありがとうございます__」
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「それで...、話ってなんですか..?」
昼飯を済ませた後で、彼女が切り出した。俺は懐から先程の紙...離婚届を出して
「まず、お前に謝らないといけねェ。..これ、出せずじまいでな...事実上まだお前とは籍入ってる。...心配しなくてもこれは今日中に出す、お前結婚するみてェだしな」
そういうと彼女は黙ったまま、俺から視線を反らした。
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時