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「気あるとかじゃなく、彼女は俺の嫁だ。人の嫁に気安く近づくな、」
...とんだ勘違い野郎だな..これは彼女も呆れるはずだ。そんなことを思っていると、彼女が俺の服の裾をつかんで
「私はこの人...十四郎さんの事が好きだから、...だから貴方とは一緒になるつもりはないの」
「なっ...!?こんな男が好きなのか?嘘だろ梓、お前は俺の__」
俺は服の裾をつかんでいる彼女の手をぐいっととって
「そういうことだ、...諦めろ。」
そのまま彼女の手を引き、その場を後にした。
少し歩いたところで、俺は足を止め彼女の方を向く
「....お前、早く俺じゃなく他に好きな男つくれ。このままだとお前が報われねェ、」
俺は、俺を好きでいてくれる彼女に何もしてやれない不甲斐ない奴だ。彼女に対して気持ちを曖昧にしてきている
「いいですよ、別に...私は多分、この先貴方以外の人には惹かれません。例え十四郎さんが振り向いてくれなくても、それでも__」
「そうじゃねェよ、...逆だ逆」
俺が言いたいのは振り向かねぇ男をずっと待ってるなということじゃなく、
「俺は..お前が好きなんだよ、..もうとっくに気持ちはお前に向いてる。けど俺はお前を幸せにはできねェ」
だから離れてほしい、彼女の幸せを考えれば彼女の隣にいるべき奴は俺じゃない
「だからもう俺を好きでいるな、..自分勝手なこと言ってる俺を嫌いになれ。」
そういうと彼女はポロポロと涙を流しながら、
「自分勝手すぎませんか...、私のこと好きって言っといて結局フって...嫌いです...十四郎さんなんか、大嫌い...!」
けど、彼女は俺に握られた手を離すことはなく握ったままで。..フツー、嫌いなら払い除けるんじゃねぇか...
彼女は素直だ、気遣いができる。俺の為にわざと俺を嫌いになろうとしてくれている
「...すまねェ、」
俺も俺で彼女を諦めなきゃいけないのに、俺は泣いてる彼女の頭を優しく撫でた
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時