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それからというもの、町中で彼女を見かけると彼女は俺のもとへと寄ってきて
「十四郎さん、お仕事お疲れ様です..!」
そういって柔らかく笑う彼女を見ると、それにつられてか自然と口元が緩む
多少の立ち話をする程度ではあるが、彼女の元気そうな姿を見ると安心する。だが、
「梓ー、そろそろ戻るぞ。」
彼女の側には決まって万事屋がいる。..まァ、彼女を1人にしてるよりはマシかもしれないが、正直それが気に入らないというか、なんつーか...
万事屋の野郎とその隣を歩く彼女の後ろ姿をみていると
「..副長、なんだか妬けちゃいますね。つい最近まで副長と籍いれてた子が旦那の元にいくのは..」
「...山崎、お前いたのかよ。」
「いや、俺さっきからずっといたんですけど!?そんな俺の存在って薄いですかね、!?」
そういえば、彼女に会う前は山崎と仕事の件で話してたんだったな..。
「というか旦那とあの子、意外とお似合いなんじゃないですかね。並んでると夫婦感あるというか__」
..は?野郎とアイツがか?唐突にそんなことを言う山崎に目線を向けると、山崎はびくりと肩を跳ねて
「え、いや、あくまで俺の偏見ですから..!!何となくそう思っただけですよ、なんとなく」
「なんとなくってお前よ...、アイツがあんな腐れ天パといて幸せになれると思うか?もっといい相手いるだろ、アイツには。」
「でも副長、人の幸せってのは100人いれば100通りあるもんですよ、..あの子が旦那といて幸せならそれはそれでいいんじゃないですかね」
...確かにな、言われてみればその通りだ。俺は彼女が幸せならそれでいい
そう思ってるはずなのに、なぜか納得いってない自分がいる。万事屋と一緒になるくらいなら俺が__
「(っ、..何考えてンだ俺。俺は、アイツ幸せにする権利なんてもうねェのによ..)」
そんなことを思いながら山崎に「戻るぞ」と声をかけ俺はその場を去った。
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時