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土方side
仕事を終え、彼女の待つ家へと戻る
しかし、彼女の姿はもうそこには無かった。その代わりテーブルの上にはラップに包まれた料理と一通の手紙があった
手紙には俺に対しての言葉が丁寧な字で綴られていた
...どうやら彼女は最初から俺の気持ちには気づいてたらしく。けど、それでも幸せだったと。その反面、親の命令で俺と籍を入れた事に対して、そして俺の自由を奪って申し訳なかったと。
そこには感謝と謝罪が書いてあった。そして最後には
『十四郎さん、今までありがとうございました。そしてすみませんでした、..私達はもう他人、お互い自由です。私の事は忘れてくれてかまいません、けど私は貴方とのことは記憶に留めておきます。本当に貴方と過ごせて幸せでした__』
そして手紙と一緒に折り畳まれて入っていたのは、全ての空欄が埋められていた離婚届だった。
..俺が以前、籍をいれてすぐに書いた離婚届を彼女は見つけていたのだろう。だとすれば、彼女はいつから俺の気持ちを察していたのか
彼女のあのどこか寂しげな微笑みはそれを知ってのことか。..知ってて彼女は俺に接してくれた、尽くしてくれた
それなのに俺は、彼女に何もしてやれなかった
俺は彼女が作ってくれた料理のラップをとり、箸をつけた
「.....美味ェ、」
相変わらず彼女の料理は美味い。マヨネーズがよくきいてる
俺は彼女が作ったものを全て食べ終わり
「(...、行くか。)」
恐らくもう、彼女はここには来ない。そんな気がした
彼女が書き終えた離婚届を手にもって、俺はその家を出た
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aoo - 面白かったです。私も小説投稿してるから参考にしよーっと。完結お疲れ様でした。 (2020年3月1日 14時) (レス) id: f91ea9aee4 (このIDを非表示/違反報告)
巴 - もどかしいと言うかストイックと言うか、そんな所が土方さんらしいですね。 (2019年7月21日 23時) (レス) id: 5637175f26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年6月8日 22時