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ジヒョンのベッド。
ジヒョンのクローゼット。
ジヒョンの机。
ジヒョンの私物。
この部屋はジヒョンで溢れかえっている。
Aは一歩も動けなかった。
あの部屋が蘇る。
青白いジヒョンの顔。
布越しに感じた冷たい肌の感触。
ジヒョンの笑顔を思い出したいのにどんなに頑張ってもそれが浮かんで来ない。
毎日見ていた笑顔だったはずなのに。
頭が割れそうに痛くて、足の裏も酷く痛くて、でも座る事すらできない。
息が、出来なかった。
(たす・・・けて・・・)
声も出ない。
(だれか・・・たすけて・・・・)
Aは意識を手放すことでようやく解放された。
・
・
日が傾きかけた頃、マネージャーがNAKEDを迎えに来た。
皆を着替えさせて車に乗せる。
葬儀会場へと連れていく為だった。
誰も口を開かないまま車に乗り込んで移動する。
ジヒョンと一緒に亡くなったサブマネージャーの葬儀も合同で行われた。
通夜からNAKEDはジヒョンの棺に寄り添い、弔問に来る関係者と挨拶をする。
仕事の合間を縫って関係者たちは訪れる。
EXOは出棺に立ち会う為通夜には訪れなかった。
深夜になってBTSが仕事が明けたその体で弔問に訪れた。
リーダーのRMが代表してダヒに挨拶をする。
NAKEDは全員ダヒの横に一列に並んで出迎えていた。
ところが
JM「Aは?」
ジミンがきょろきょろと辺りを見渡して言った。
TH「トイレですか?」
Vが目の前のウリョンに尋ねた。
そこで初めてNAKEDも気付いた。
Aだけがここに来ていない事に。
真っ青になったダヒと動揺するNAKED。聞きつけたマネージャーも気付かなかったショックに固まっている。
それもそのはず。突然仲間を失っただけでなく、今の今まで末っ子がいない事に気が付かなかった。
宿舎を出てからもう何時間も経過している。
NJ「俺たちが見てくるので皆さんはジヒョンさんの傍にいてあげてください」
DH「でも」
SK「疲れてるでしょ?明日もあるし慌てていたら悪いことが続くかもしれない。俺たちに任せて下さい」
HS「宿舎の鍵をお預かりしますね。大丈夫、すぐに見つけますジミンがw」
JM「はい、俺得意ですからw」
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作者名:〜NAE〜 | 作成日時:2018年4月8日 17時