第一楽章 快晴のファンファーレ ページ2
パンパンッ、と乾いた音が私の両手から弾き出された。
と同時にこちらに向く沢山の目。
「みなさんに報告があります。今度行われる定期演奏会……三年生の“卒部公演”についてです」
私がそう告げた瞬間、部屋の空気がぴん、と引き締まった気がした。
私は部員たちの顔を見回すと、あくまで冷静にそのことを告げた。
「今回は、アイドル科と合同で行うことになりました」
しん、と音楽室が静まり返る。
一瞬の静寂を破るように、部員が同時に大絶叫を響かせた。
……こりゃ、収集つかないなぁ……
困った、と隣に立つ副部長の親友……杏奈に視線を送るも、澄ました顔で佇むだけ。
少しは助けてよ、と思うも、それが杏奈なりの私への信頼の表れであることを知っているから、少し嬉しくなる。
「はーい、静かに！今から詳細を話すので、プリント回してください」
100人近い部員全員に行き渡ったことを確認して、私は話し出した。
「今回の演奏会では、アイドル科のアイドルたちとアンコールで共演します」
「つまり、あんまり公にはしないでくれるとありがたいってこと！」
杏奈が付け加え、シンプルで大雑把な説明は終わった。
ここからはもっと細かい話になる。
「アンコールでやる曲は実はまだ決まってないんで、もう少し待っててね……でも、アイドルの曲の吹奏楽アレンジってことにはなってるので、お楽しみに！」
わぁっ、と女子部員から歓声が上がる。
うちの学院は色々厳しいし、特にこの部は制約が多いからこういうチャンスは滅多にない。
もともとアイドル育成がメインの学校だ、普通科にもそのファンは多い。
ただ、今回のこの話が持ち込まれたのは、私たちが半端な部活ではないということが認知されているからだ。
——浮き足立って、その信頼を裏切ることは許されない。
気を引き締めなくては……！
「はいはーい、興奮する気持ちはわかるけど落ち着いて。私たちは夢ノ咲学院吹奏楽部……全国金賞の実力を見せつける使命があります。気を引き締めて行きましょう！」
「はい！」
「いい返事。三年のいい思い出になるように、よろしくね」
「はい！」
一、二年の返事の声は、この一年の間に随分と頼もしいものになった。
それが嬉しくて、少し口元が緩んでしまった。
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ホッチキス(プロフ) - ゆゆゆさん» 本当にラッキー(^_−)−☆ですね！これからも応援しています！ (2022年5月25日 21時) (
レス) id: b36c03acb0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ - ホッチキスさん» ありがとうございます、最高とかめちゃくちゃ嬉しいです…！全然アイドル出てこなかったのに推しが出ていたとはなんとラッキー！！(？)私もニヤニヤが止まりません。こちらにもコメントして下さりありがとうございました！！！ (2022年5月24日 18時) (レス) id: 6c5dc33c86 (このIDを非表示/違反報告)
ホッチキス(プロフ) - 双子設定最高でした！すごく面白かったです！私の推しの渉も出番をいただいて、、、ニヤニヤがとまらないっす！ (2022年5月24日 18時) (レス) @page15 id: b36c03acb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：箸レーゼ | 作成日時：2022年5月4日 18時
