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同時刻、兵舎にて




「おい、あれ
‘’奇人のアシヤ‘’じゃないか?」


「戦争で梢子棍(ヌンチャク)で戦ったって奴だろ?」


「あまり近づくなよ
気性が荒くてこの前も幹部を病院送りにしたって
噂されてたぞ

しかも
部隊は違うのに鶴見中尉殿の‘’お気に入りだ‘’」






深く帽子を被りギラギラと目を光らせながら
まっすぐと中尉のいる部屋へと向かうこの男

日露戦争の際、一人だけ銃を使わず
ヌンチャクだけで敵を皆殺しにしたことから

変わり者のレッテルが貼られ

「奇人のアシヤ」

と呼ばれるようになったのである





「何で部隊の違う俺が
毎回毎回呼び出されなきゃいかんのや
ふざけんな
俺やて暇なわけやないんやぞ
というかそもそも俺は____」



と悪態付きながら
中尉のいるであろう部屋へとつく



「・・・クソ」



コンコンッ


「失礼します」


「入れ」



部屋の中には
睨みを聞かせる鯉登と月島が
仁王立ちで待っていたのだ



勿論鶴見の姿はない




「鶴見中尉殿は今席を外しておられますので
しばしこちらでお待ちください」



「・・・はぁ?
なんやねんそれ

呼び出しておいてなんでおらへんねん
帰る」



「まて、アシヤ!!!
帰させやしないぞ!」



「はぁ〜うっさ」


鯉登とアシヤの間に
ピリピリとした空気が流れ始める



「おやめください
鯉登少尉、蘆屋‘’少尉‘’

しばらくすれば鶴見中尉殿は来ますので」




月島は
今に喧嘩が始まりそうな空気を
必死に抑える


月島は苦労人だ
やっとアシヤが椅子に座ったことで安堵の息を漏らす




(なんで俺がこんな胸糞悪いとこで
ずっとあいつの事待たなあかんねん

しかも鯉登もおるし

うっさいねんこいつは
変な奇声あげよるし)




なんて心の中で悪態をついていると
ビリッと蘆屋の身体に特級呪霊の気配が
体中を駆け巡る




「クハハッ!!」


「な、何処に行かれるんです!
蘆屋少尉殿!」


「このっ・・・まて!」


「鯉登少尉殿!」


アシヤは狂喜的な顔を浮かべながら
部屋を飛び出していく



アシヤと言うこの男

蘆屋義弘もとい
蘆屋Aのひぃじいさんになる男である

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山猫(プロフ) - とても好きです面白いし最高です。 (2021年7月26日 17時) (レス) id: 182d2e66db (このIDを非表示/違反報告)
ミンミンゼミ(プロフ) - お粥??さん» コメントありがとうございます。うまく文章が書けてるか心配ですがそう言っていただけて嬉しいです! (2020年12月17日 8時) (レス) id: 0fbf39fe02 (このIDを非表示/違反報告)
お粥??(プロフ) - とても面白いです!これからも無理をしない程度に頑張ってください (2020年12月16日 22時) (レス) id: 8cc28a00da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミンミンゼミ | 作成日時:2020年12月16日 13時

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