慧眼と金塊

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近くの農家を当たり
卵 キャベツ ゴボウにニンジン
それに貴重な砂糖 醤油 酒 まで手に入った


多分白石が軍服を着ているおかげであろう


「なぁ、白石」

「なんだぁ？」



「白石が兵舎で着替えてるときに見えたんだが
変な刺青を入れてるんだな」


「・・・・」



ふと思ったことを言ってみると
白石は黙りこくってしまった



「・・・・私にも
左手に刺青が彫られてるんだ
多分あまり見ない刺青だ

ほら」


そういって白石に見せる



「これを鶴見に見られた時
あいつは私に‘’網走の脱走した囚人か‘’って
聞いてきたんだ

私の推測だと
鶴見は刺青を彫られた囚人を探してる

白石、お前

網走刑務所から脱獄した
囚人なんじゃないか？」




そう言いながら白石の顔を覗き込む
まぁ、なんとも言えない顔をしている



「そんなこと知って、どうするの？
Aちゃんは」


「え
どうするって・・・どうもしないけど
まぁ、何を意味するのかは教えてほしいところではあるな

その刺青が何を意味しているのかは知らないが
・・・そうだな私の秘密を言うから
白石の秘密を教えてくれ

な？」



そう言いながら笑うと
少しだけ、ほんの少しだけ
白石の顔が綻んだ

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