AU短編集3

＊雪様リクエスト(ホームラン1) ページ41

「BAD TIME」

そう言い放ち勢いよくバットを振るAUsans達。かろうじでボールに当たるものの、あまり高くは飛ばなかった。

「俺もう疲れたわ」

「はやいなアンタ、まだ一回しか振ってないぞ」

「流石にもうちょい頑張ろうぜ」

汗をかき、一人だけ息切れをしているmustard。この中で一番体力のない彼からしたら重たい金属製のバットを一振りするだけでかなりの力を使う。その横でバットを振っていたketchupとhoneyはあまりの体力の無さに少し驚いている。

「ホームラン出すまで帰れないらしいし頑張ろうよ！bad time!」

元気にbadtimeと言ったのはink。彼も勢いよくバットを振るが、ホームランとは程遠い。駄目かぁ、と言いしょんぼりとするinkの背中を軽く叩くgeno。彼もまたホームランが出せずにいる。

「bbbbバットがバggグっtttた…」

「あれ、バット何処いった」

errorがバットに触れた瞬間、バットが勢いよく動き回りながら地面に突き刺さってしまった。音と砂煙が凄い。一方nightmareは触手でバットを力強く握りしめた時に触手の中に取り込まれてしまいバットが行方不明になっている。何故触手で持ったのだろうか。

「流石に疲れるね〜BAD TIME」

気の抜けた声でkillerがそう言いながらバットを振るが、そもそもkillerの振りが遅くてボールに当たらない。

「それでも頑張らないと！此処にAちゃんいないからね！BAD TIME」

汗をかきながらも懸命に挑戦しているdream。疲れは感じているものの、何度も挑戦するうちに飛距離も高さも着実に伸びてきた。

「本当にBAD TIMEだぜ…」

先程までは気付かなかったが、皆が疲れから静かになりバットの暴走も落ち着いた頃。今ではガリガリという何かを削るような小さい音が聞こえてくる。その音が何から鳴っているのか気になり音のする方を向いてみると、お腹を空かせたhorrorがmurderの頭蓋骨をガリガリと削って食べている。murderのHPは順調に減っていっている。

「あれぇ！？何してるのhorror！？」

その音に一番最初に気付いたkillerがhorrorに質問する。他のAU達もそれを見て若干引いたような表情を浮かべている。

「腹へったからよ…」

「dddだからってmmmmurderをkkkk食うなyyよ…」

溜め息をつきながら青い糸をhorrorの体に巻き付け、グイッと思いきり引っ張る。その時、バリンッという何かの割れる音が大きくこの空間に響き渡った。

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