【HQ!!】地味なあの子は隠し事をしている。3

106.無言の圧力、ダメ絶対 ページ16

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Tanahata side








牛島さんの言う通り、私の周りの人達は父は優秀なバレー選手だったと教えてくれた。私が産まれた時、若くして選手を引退し、コーチに就任した、という話は母から聞いたことだ


優秀な父に比べて私はどうだろうか。優秀？そんな言葉は不釣り合いにも程がある。父と比べられる価値もないだろう。そう、きっと牛島さんは、私を誰かと勘違いをしているのだ




お互いが口を開かないまま、という気まずい状況に、私はただ俯いていれば、ピコ、という電子音がジャージのポケットから鳴った。この状況ではスマホの通知音ですら救いの手で、すぐさまスマホを取り出す。画面には、雀田先輩からの【どこにいた？】というメッセージが表示されている








『…すみません、先程も申し上げた通り、朝食の準備があるので…失礼します』







正直、牛島さんに聞きたいことはあるが…今はうまく言葉にすることができない



再度彼に深めに頭を下げ、今度こそ足早にその場を後にした。








？「…ふゥん…」









牛島さんとのやり取りを、誰かに見られていたなんて知らずに。




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雀田「あ！Aおはよー」



『おはようございます。すみません、朝から少し出かけてしまって、』



白福「いいのいいの〜

私たち、さっき起きたところだから〜」



『ありがとうございます。清水さんと仁花ちゃんも、おはようございます』



清水「おはよう、Aちゃん」


谷地「おっ、おはようございあぁす！！」


『(ございあす…？)』






部屋に戻れば、マネージャーの皆さんは既に起床し身支度を整えていた。ただ1人、舞はまだ布団に突っ伏しており、私が身体を揺らしたことでやっと目を覚ましたのであった







滑津「むー…Aおはよぉ…」


『おはよう、舞
そろそろ朝ごはん作るから、準備しないとだよ』


滑津「んんー……
って、ええ！？もうそんな時間！？い、急いで準備する！！！」


清水「焦らなくて大丈夫だよ」


雀田「そーそ！部員達も疲れ溜まってるのか最近起きるのゆっくりだし！」




白福「明後日からは稲荷崎〜？も来るしね〜
監督が〜、明日は午前で切り上げるって言ってたね〜」









ばたばたと準備をし始めた舞に皆苦笑しているのを横目に見る。マネの皆さんと過ごしていればとても楽しいし、正直、この合宿で退部するのが嫌になってしまう


先程の牛島さんの件は頭の片隅に寄せた。今は、合宿に集中しなくては。




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