102.気まずすぎる(Yaku side) ページ12
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Yaku side
カチ、カチと鳴る時計の針の音がいつもより大きく感じる。チラ、と時計に目をやればさっき見たときから数十秒しか経っていない。そして隣の七夕は、相変わらずノートパソコンを見つめ、時折キーボードをたたいている
『(…ぜんっっっぜん集中できねぇ………)』
席についてから十数分、未だに問題しか書いていないノートを見て小さくため息が出た。流石の俺でも、女子と、しかも2人きりで面と向かって話したことがあまりないやつと2人きりになるのは気まずい。とてつもなく気まずい。
やっぱ一席空けているとはいえ、隣なのがまずいのか…いや、かといって離れた席に座って、変に意識してるって思われても…
A「あの、」
どうする、やっぱ部屋に戻って勉強するか?…いやいや、あんなうるさい場所で勉強できるわけねぇし…
A「夜久さん」
かといって、ここだと絶対集中できねぇし…
A「あのっ、夜久さん」
『…!ご、ごめんな、考え事してて…ど、どうした?』
はっと気がついた時には、ひとつ席を空けていたはずの七夕は隣の席にきていて、俺の顔を覗き込んでいた
A「…すみません、勉強中に…
もし、良ければなのですが…少し聞きたいことがありまして」
『あー、勉強のことで考え事してた訳じゃねえから気にすんな!
それで、聞きたいことってなんだ?俺で良ければ答えるけど、』
随分と気を使っているような七夕に笑顔を向ければ、七夕は少し目を大きくさせ、軽く頭を下げた
A「…!ありがとうございます。
…ええと、夜久さんには、その…恋人はいますか?」
『………は、』
言葉にならないような声が漏れ、思わずかちんと固まってしまった。
七夕の発した言葉がぐるぐる、と頭の中で回る。恋人…って、つまり、彼女…ってこと、だよな…?え?
A「その、勿論、無理に答えて頂く必要はないので…」
『あ、ああ…いない、けど…』
A「…そう、なんですね。
ええと、想いを寄せている方…とかは…」
『……はあっ!?』
絞り出すように声を出せば、七夕はこくんと頷き、俺の目を真っ直ぐに見つめて問いかけてくる。勿論その内容に思考は停止し、大きな声を出してしまった。
七夕、何が目的なんだ…
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ゆめぬし〜 - わ〜続きめっちゃ気になります!!更新お待ちしてます!! (3月27日 19時) (レス) @page19 id: 87ace5bfb7 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 更新お願いします…(´;ω;`) (3月22日 12時) (レス) @page19 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
_zh(プロフ) - 続きが読めないのが惜しいです……こんな面白い所で止まってるなんて……気が向いたときにふらっと戻ってきてくれたら嬉しいです。お気に入り登録しておきます (10月29日 10時) (レス) @page19 id: acefa471ee (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - めちゃくちゃ好きです、、欲を言えばもっと逆ハー要素いっぱい増やして欲しいのと、ノヤっさんとの絡みいっぱい見たいです!!文才天才過ぎます、、更新お待ちしてるので完結までついていかせてください! (8月27日 4時) (レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
shibao(プロフ) - 全然待つので続き書いてください! (7月8日 23時) (レス) id: 3ee091ec74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@ゑの | 作成日時:2021年4月10日 23時