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出会いの話。 ページ1

窓の外を見ると桜が舞っていた。
風に運ばれて、飛んでいくというのに木にはまだ花がこれでもかというくらいに咲き誇っている。
終わりがないかのように。
まあ、いつかは散って終わってしまうのだけれど。
高校に入学して一年。
やっと、それなりの学校生活が送れるようになってきたというのに転校とは運が悪い。
進級そうそう何故編入試験を受けなければならないんだろう。
『えー、じゃあ転校生もいることだし自己紹介。席順になー。』
担任の一言に生徒は少なからずいやな顔をする。
私ならともかく全員というのはさすがに面倒だ。
私のためにわざわざ全員自己紹介というのもおかしな話だろう。
なるほど・・・。名前と部活動か。
たしか、この学校は何らかの部に所属しなければならない規則になっていたような気がする。
中学では吹奏楽部に入ったものの、ぱっとせず一年足らずでやめてしまったし、それからは中学でも前の学校でも部活動には所属していなかった。
何事も長く続かないのは悪い癖なのだが、どうも自分のやりたいことというのがわからない。
やりたいことでも見つかれば、部活にもやりがいを見出せるのだろうか・・・。
そんなこんなで周りの自己紹介を軽く聞き流しながら外を眺めているとあっという間に自分のところまで順番が回ってきている。
起立して、一呼吸おく。
「今年からこの高校に通うことになりました、渡瀬Aといいます。
 部活動はまだ未定です。分からないことも多いですがよろしくお願いします。」
面白さのかけらもない内容を愛想のない笑顔で言い切り席に着いた。
感情のこもってない拍手が教室を包む。
軽く笑って会釈をすると、若干数名の男子がおぉっと声を上げた。
第一印象はそう悪くはないようだ。
女子も、いやそうな顔をしている人はいないようだし、
これなら平和な学校生活が送れそうだ。
『20分くらい周りと話しといてくれ。会議が終わったら連絡をして下校だ。』
そういうと、担任は教室を後にした。

・・・周りと話とけって。
転校初日に何考えてんだあの教師は。
しゃべるやつなんて、いな・・・

「やっほー、転校生。隣の席だからよろしくなー。何でも聞けよ?」

春→



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- 結構、更新できました!(テスト期間だけど) (2018年2月15日 16時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- ありがとうございます…! (2018年2月13日 21時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 恵さん» ありがとうございます〜今回は春名を前面に、かな・・・? (2018年2月13日 17時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)
- こんにちは!めっちゃ面白かった!!春名がやばいですまじで。隼人Pなんだけど、やっぱりハイジョはみんな神っす! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 5d8b999ccb (このIDを非表示/違反報告)
- 復活しました!これから、たまっていた分をどんどん更新していきます! (2018年1月31日 19時) (レス) id: c5be074fde (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢(アヤ) | 作成日時:2017年12月11日 18時

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