私得な短編集[あんスタ]リクエスト募集中！！！ (ページ30)

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斎宮宗. 好きの代わりにページ30

私「ねぇマドモアゼル」

マド「どうしたのAちゃん」

私「じゃーん、見て！」

マド「その着物、私のためにつくってくれたの？」

私「そうだよ！和の装いも似合うかなーと思って！」

マド「ありがとう、嬉しいわ」

宗「小娘、最近ここによく来ているが、暇なのかね」

な、宗先輩から話しかけられるとは！

私「別に暇じゃないです～、マドモアゼルに会いたいだけで♪」

マド「嬉しいこと言うわね、Aちゃん」

宗「それは暇ということだろう」

私「失礼な、違いますよ」

誰が貴方に会いに来ているだなんて言えるだろうか。

そう、私はなぜかこの人ー宗先輩が好きなんだけど
相手にされないどころか突っぱねられている気がする…

私「…はぁ」

マド「Aちゃんどうしたの？ため息なんてついて」

私「えー…聞いてくれる？マドモアゼル」

マド「何か悩みがあるの？」

私「好きな人がいるんだけどね」

マドモアゼルの体が大きく揺れる。
つまり宗先輩が腕を揺らしたってことになるんだけど。

…びっくりしすぎでは？

宗「何！？」

マド「宗くんは黙っておいて」

私「まぁ、振り向いてくれないっていうか…」

マド「それはもう無理なんじゃない？」

私「え？」

酷い物言いじゃないか、マドモアゼル。

宗「そうだね、その男は貴様のことなんてなんとも思っていないのだよ」

宗先輩まで…
そりゃまぁ、そう思ってたけどさ…

マド「諦めた方がいいわよ」

私「…でも」

好きなものは、好きなの…

だめだ、もう泣きそう。

私「ごめんなさい、お邪魔しました」

私はそう言って部室を後にしようとした…が

宗「ま、待ちたまえ！」

宗先輩が珍しく必死な顔をしている。

宗「…君を傷つけるつもりはなかったんだ、すまない」

私「いきなりどうしたんですか？」

宗「君が他の男のものになるのが許せなかった…それだけだよ」

言葉の意味が飲み込めない。

宗「だから…分かるだろう！？僕は君を愛してしまったのだよ！」

私「え…と」

やっと言っている意味が分かると、涙がこぼれ出してきた。

宗「！？ほ、本当にすまない！」

私「っ…う、嬉しいです！私もっ、同じ、気持ちです…！」

泣きじゃくる私を宗先輩は静かに抱きしめた。