天才、オーラスを迎える。 ページ46
「今日は皆さんありがとうございましたー!GeNocでした!」
大歓声に包まれる中客席に手を振り、裏へ引っ込む。
途端に襲い来るのは疲労感と足や肩の痛み、そして浅い呼吸による酸欠状態の身体。
「ハァッ、ハッハッ、ッッハァッ」
「大丈夫かいAくん、ゆっくり呼吸して。」
「桐くん落ち着いて深呼吸よ。まずはしっかり酸素吸って。」
ボンベを口にあてながら酸素を吸いそのままベンチに横倒れる俺。
施される数々のマッサージやテーピング。
まだ、まだ倒れるわけにはいかない。
観客席から聞こえてくる名前のコールがだんだん大きくなる感じ。
一体何人ものファンを待たせているのだろうか。
「もう、大丈夫っす。社長。」
「無茶だけはしないでくれよ。」
心配そうに覗いてくるから、ボンベを悟琉から受け取り吸いながらにこやかに笑ってやる。
「俺は世界一のアーティストになる男ですよ社長。こんな所でへばってられない。」
体力面の強化が必要だな、なんて自分で思いながら丁度マッサージも終わり、立ち上がる。
酸素は悟琉に返して、グッズのTシャツと帽子にバッジとタオルをつけて。
照明さんに指示を出して暗転してもらう。
そしてタイミングを見計らい、センターステージにジャンプで飛び出すと歓声はMAXに。
「アリーナツアー最終日、ビューイングの皆さんも会場の皆さんも、盛り上がっていきましょう!」
ファンサをしながら二曲歌い、本当の最後のアンコールになる。
ファンへ手を振り、会場を駆け回りながら、1番盛り上がる曲を歌い上げる。
持っていたグッズはステージ上からファンの子達に向けて全部投げた。
何度も何度もアンコールをして、最後になり、そのまま裏へ引っ込んだ。
そして早着替えをしながらトロッコ的なのに乗り1番高く目立つ所まで運んで貰う。
今頃はきっとスタッフロールのようなものが流れているに違いない。
しかし会場から聞こえてくるのは、流れてる音楽に合わせて歌いずっと会場に居てくれているファンの子達の声。
スタッフロールが終わると再び会場は暗転し、警報音と低音が織り交じったような音が流れる。
ひとつのスポットライトが当てるのは、着替え終わった俺。
困惑の声が鳴り響く会場。
そんな中俺はただ一点を見つめて一言呟く。
「次は、世界だ。」
そしてすぐ真下に落ちる。
直後モニターに出るのは3rdアルバム発売と世界デビューの文字。
「あ゛ー怖っ!」
「結構な高さから落ちたしね。」
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れ - formじゃなくてfromだと思います (2022年10月13日 20時) (レス) @page6 id: 0753043932 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - めろ汰さん» ありがとうございます^^ GeNocくんのお話は一旦終わりですが、いつかまた別のところでお会いできたら嬉しいです!感想ありがとうございました! (2021年2月23日 15時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
めろ汰 - ううう。。秒で読んじゃいました。。はおてゃん可愛いの分かりみ強すぎます…!!GeNocくんかっこよすぎてペンになっちゃいそうです…!!連載お疲れ様でした!!((今更感すいません! (2021年2月16日 13時) (レス) id: 08c80e6053 (このIDを非表示/違反報告)
恋@眼鏡(プロフ) - うすすさん» ありがとうございます〜!私も正直続編に繋ごうか迷いましたが、今後の活躍は皆様の心の中で生きて欲しいなと思い、完結させました!こちらこそ作品を長い間ご覧頂きありがとうございました!またどこかでお会い出来れば幸いです^^ (2020年9月3日 10時) (レス) id: a273382bf7 (このIDを非表示/違反報告)
うすす(プロフ) - 完結おめでとうございます!少し名残惜しいですが完結嬉しく思います。矛盾してる。素晴らしい作品をありがとうございました! (2020年8月14日 17時) (レス) id: b192477b3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2019年6月23日 14時