(44) ページ46
.
『な、んで……、』
そこに映っていた見覚えのある人物に、目を見開き思わず声を出してしまった。
見た目は変わっていても、バスケをしている姿形、スタイルは全く変わっていない。
バスケ、辞めたんじゃなかったの………?
心臓がバクバクと音を鳴らしているのが聞こえる。
なるほど、福田総合学園が急激に強くなったのはこの人のおかげ。全てに納得がいった。
先程まで疑問に思っていたことがすっきりと解消されて納得すると同時に、あの時あった出来事が蘇り嫌でも会うことになるという嫌悪感や恐怖心に駆られる。
キセキの世代になれなかった者、灰崎祥吾。
「湖橙いるか?」
『……あ、すみません。先に見ちゃってました』
「まだか、って監督が言ってたぞ」
『準備できてます、皆呼んできましょ』
笠松先輩が空き教室の扉からひょこっと顔を出す。
ちらりと時計を見ると結構このDVDに見入ってしまっていたらしく、体育館を出て行ってから随分時間が経っていた。
「何かあったのか?」
『…え?どうしてです?』
「体育館出て行く前と雰囲気違ぇから」
『……ついにウィンターカップ始まるんだなって浸ってました』
「今更かよ」
隣を歩く笠松先輩がちらりと私を見ながら言うので、私は笑いながら嘘をつく。
私の回答に、笠松先輩は呆れた顔をして再び前を向いた。
皆、大事な時期なんだ。私情で困らせるわけにはいかない。
もし会場で会ったらその時はその時考える。
両頬に両手をバンバンと強く叩いた。
228人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春(プロフ) - 文スト黒バス東リベ推しさん» コメントありがとうございます!13の続きで帝光中学校時代の話なので、赤司ですね。 (2022年6月29日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
文スト黒バス東リベ推し - 14の黄瀬が赤司っちに言っておくからみたいな台詞あるけど赤司じゃなくて笠松とかじゃないですか? (2022年6月27日 17時) (レス) @page16 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春 | 作成日時:2021年6月18日 20時