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「本当にいいんスか?」

『痛くしないでね』

「それは多分無理っスよ」




誰一人いなくなった教室。
目の前の机を動かして椅子に座り、向き合うように黄瀬が立つ。






「いくよ」




これから来る未知の痛みに、ぎゅっ、と目を閉じる。


……痛いのかな。痛いだろうな。

数秒後、バチンッと右耳に感じる痛みとその直後唇に感じる熱に慌てて目を開けた。


耳の痛みはピアスでしょ、分かるよ。じゃあ唇は?そんなの答えはひとつしか思いつかない。






『な、に』


「ごめん、目瞑ってるAっちに我慢できなくて……」


『……こういうの、気安く女の子にしちゃ駄目だよ。勘違いされる』


「勘違いしてよ。
俺、本当にAっちのこと好きっスよ」






突然のキスに突然の告白。
前々から好き好き言われてはいたけれど、改めて真剣に言われると恥ずかしさで顔が赤くなってしまう。


先程黄瀬が開けてくれた右耳に、そっと触れる。






『……ごめん』

「やっぱまだ駄目か〜!!」




暗くなってきた雰囲気を和ますように、わざと明るい声を出す黄瀬。




「いつになったら俺の恋叶うんスかね〜?」

『一生叶わないんじゃない?』

「それ本人が言う!?」




すると、先程までヘラヘラと笑っていた彼は一瞬真剣な顔をする。




アイツには、負けねぇから。




ぼそっと言う彼だが至近距離にいる私には当然聞こえるわけで。そんなこと思わせてごめん、と心の中で謝罪した。























「Aっち?部活始まるっスよ?」

『……あんたは従順な犬のままでいてね』

「なんスかそれ???」




そんなこともあったなぁと思い出して、くすっと笑うと私の仕事に勤しんだ。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黄瀬涼太 , 海常高校   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 文スト黒バス東リベ推しさん» コメントありがとうございます!13の続きで帝光中学校時代の話なので、赤司ですね。 (2022年6月29日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
文スト黒バス東リベ推し - 14の黄瀬が赤司っちに言っておくからみたいな台詞あるけど赤司じゃなくて笠松とかじゃないですか? (2022年6月27日 17時) (レス) @page16 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年6月18日 20時

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