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体育館を出て扉を閉めると、その扉のすぐ横に黄瀬が寄りかかって立っていた。
私が体育館へ来た時は周りには誰も居なかったのに、音もなくいつの間にか現れるからまるで幽霊みたい。
『聞いてたの?入ってくればよかったのに』
「バッチリ表情も見てたっス」
『きもちわる』
いつものヘラヘラ笑ったような顔ではなく真剣な、しかし困ったような顔をするから、さらに怖い。
私との話の区切りが着いたにもかかわらず一向に体育館の中へ入ろうとしないので、コイツは自主練するつもりじゃないのか?と疑問に思った。
「Aっち、ここにはアイツみたいな人はいないっスよ」
『……あー…分かってるつもりなんだけどさ、つい』
“アイツ”という単語につい反応してしまう。
しかしその話に触れて欲しくなくて、それより自主練しないの?笠松先輩いるよ、と話を逸らした。
「自主練、するつもりだったんスけど気が変わったっスわ。Aっち一緒に帰ろ?」
『え、いいよ練習してきなよ』
「いいからいいから」
いつものようにヘラヘラと笑った顔に戻り、私の手を引っ張って正門へ向かう黄瀬。
帰っている間さっきの話にはならず、今日の夕飯何作ろうかだとか、あの子可愛い(この話は私から)だとかたわいもない話で、気使ってくれてるのかな、黄瀬のくせにと内心少し笑いながらも安心した。
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_____「ちょっとこの後練習付き合ってくんね?」
久しぶりに思い出した。
もう何年も前の出来事なのに、未だにこんな鮮明に覚えてる。
忘れたい、のになぁ。
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春(プロフ) - 文スト黒バス東リベ推しさん» コメントありがとうございます!13の続きで帝光中学校時代の話なので、赤司ですね。 (2022年6月29日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
文スト黒バス東リベ推し - 14の黄瀬が赤司っちに言っておくからみたいな台詞あるけど赤司じゃなくて笠松とかじゃないですか? (2022年6月27日 17時) (レス) @page16 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春 | 作成日時:2021年6月18日 20時