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『もしかして私たち、入れ替わってるぅぅぅ!!?』
「そうみたいですね」
ある日、誠凛に遊びに来た私と黄瀬が不法侵入をして体育館に足を運ぶと、丁度休憩時間で皆ベンチに座って休んでいた。
火神がまだ練習をしていたが手元が狂ってボールが黒子の頭に当たり、さらに黒子の頭が私の頭に当たって私と黒子が入れ替わってしまった。
「悪ぃ、にしても黒子がヘラヘラ笑ってるとか違和感しかねぇな」
『どう?爽やか系イケメンでしょ』
「Aさん、僕の顔でカッコつけないでください」
「三人とも順応力高すぎじゃないっスか」
申し訳なさそうな顔をして黒子と私の顔を交互に見る火神に、黒子の顔で自撮りしようとする私、それを止めようとする黒子、戸惑っている黄瀬、口を開けて固まっている誠凛の皆。
『私って普段こんな顔してたんだね』
「僕もそんな作り笑い出来るなんて知りませんでした」
私と黒子、お互いがお互いの顔をまじまじと見る。
自覚はあったけど結構可愛いな私。
「それより身体に何か違和感とか感じねぇんスか?」
「今すごく甘いものが食べたいです」
「なるほど、入れ替わっても身体の感覚はそのまま。きっとAの身体は今甘いものを求めてるのよ。ポッキーならあるから今すぐ食べないと死ぬわよ」
「僕もうこんな身体嫌だ」
ポッキーをくれたリコさんに、これがAさんの感覚……とげっそりしたような顔で食べ始めた。
それ私の顔なんだからもっと華やかに笑ってよ。
「黒……Aっちは?」
『驚くほど何も感じない』
「さすが黒子、寂しい人間だな」
「火神くん殴りますよ」
強いて言えば、ないものがあってあるものがない………みたいな。
あれ?ちょっと待てよ……??
『ってことは黒子の黒子を見放題………ちょっとお手洗い行ってきます!!!!』
「今すぐ僕の身体を返してください!!!」
黒子のTシャツの中をちらっと覗いて走り出そうとすると、黒子が入っている私の体に凄まじい勢いで叩かれた。
そしてもう一度ボールを頭にぶつけて元に戻り私の願望は叶わなかった。
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春(プロフ) - 文スト黒バス東リベ推しさん» コメントありがとうございます!13の続きで帝光中学校時代の話なので、赤司ですね。 (2022年6月29日 8時) (レス) id: edf0169bda (このIDを非表示/違反報告)
文スト黒バス東リベ推し - 14の黄瀬が赤司っちに言っておくからみたいな台詞あるけど赤司じゃなくて笠松とかじゃないですか? (2022年6月27日 17時) (レス) @page16 id: 89b4ed43fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春 | 作成日時:2021年6月18日 20時