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推し35 ページ2

カランっと



ウィスキーの入ったガラスのコップに球状の氷があたり、透き通った音が響く




渋みのある色っぽい声色で歌われるジャズに耳を傾けながらちびちびとウィスキーを喉に流す





お酒独特の香りと、じんわりと暖かくなる喉を感じながらゆったりとその場の雰囲気に身を任せる







ここは「ルパン」







かつてマフィアに所属していた若かりし太宰さんや、今はなき彼の良き理解者であり、友であった織田作之助や、異能特務課の坂口安吾らがよく集っていたところ






「マスター、おかわり」

「かしこまりました」





飲み干したウィスキーをカウンターに出し、マスターに渡す





「彼は元気ですか?」

「元気ですよ、人を.....救う側になりました」

「そうですか」






マスターはウィスキーを注ぎながら太宰さんだろう....彼の近況を聞いてくる








「彼は変わりました....私ももう長年ここにいますが...」

「マスター....人は変わります、ですが





簡単には変われませんよ」





カランともう一度コップの中の氷を揺らし、グラスを見つめながらマスターに語りかける





マスターはグラスを拭いていた手を一瞬止め、何か考える様にしてまた手を動かす




「そうですね」




そう、ぽつりとつぶやいて








「マスター、もう一杯くれません?」

「なにになさいますか?」

「彼らがいつも飲んでいた奴を…」




コトリと隣に別のグラスが置かれ、黄金色に輝いた酒が注がれる





「これ、あげますね…織田作さん」




先程積んできた花を挿しこみ、語りかける





「太宰さんは大丈夫です、ちゃんと人を救っています…




出来る事ならあなたにも会いたかったです…織田作さん」





誰もいない隣にまるで独り言のように話しかける








「太宰さんは大丈夫ですよ…」




もう一度同じ言葉をぽつりとこぼし、グラスを持ち上げる





「何に乾杯しましょうか…」




ううん…顎に手を当て悩む





「そうですね…







これからの彼と、今までの貴方に…」






カランっと心地の良い音がしてグラスをぶつける





のこりのウィスキーを飲みほし、帰る為に席を立つ





「じゃあね、織田作さん…また来るよ」





そういって去ろうとすると、どこからか、








カランっとまた、透き通った音がした







――――

2期は…黒の時代飛ばすので、短いかもです…

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琥月(こづき)(プロフ) - ホウ酸さん» わぁお 真逆の同じ身長w (2020年5月27日 5時) (レス) id: 28a617331c (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 琥月(こづき)さん» あwちなみに私も同じですwww (2020年5月26日 6時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
琥月(こづき)(プロフ) - ホウ酸さん» そして主人公ちゃんと身長が同じです(笑) (2020年5月25日 21時) (レス) id: 28a617331c (このIDを非表示/違反報告)
ホウ酸(プロフ) - 琥月(こづき)さん» 愛を叫ばせてるだけです!!それは嬉しいですねありがとうございます!!!! (2020年5月25日 21時) (レス) id: d043e2c381 (このIDを非表示/違反報告)
琥月(こづき)(プロフ) - ホウ酸さん» 主人公ちゃんのキャラ好きです! (2020年5月25日 21時) (レス) id: 28a617331c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ホウ酸 | 作成日時:2020年5月19日 18時

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