月島、彼女に惚れ込んでます【月島蛍】

#20 花巻side ページ20

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「え……？」





後ろを見れば、冷たい視線を俺に向ける烏野のメガネ。

名前なんだっけ。


あ、月島だわ。






俺が月島の名前を思い出している間に、
倉橋ちゃんは月島に腕を引かれ、俺の元から離れていた。





「僕の彼女に手、出さないでもらえます？」





……詰んだ。まじ詰んだ。


月島の彼女かよ。人選ミスった。






「お前の彼女かよ。わりーわりー」


普通に。いつもの俺でいけ。動揺なんて見せるな





「なにもしてませんよね？」

「おう」

「……ならいいです」



月島は、一瞬俺に疑いの目を向けたが、すぐに元に戻った。






やべぇ。冷や汗ハンパない。

助けて、誰か。月島怖い…








「じゃあ、僕たちはこれで失礼します。

次、なんかしたら覚悟しといてください」





「…………ﾊｲ」









そして2人は、仲良く手を繋いで人混みに消えて行った。









俺は数秒間、驚きでその場に固まってしまった。





「おつ」

「ま、松……俺、死ぬかと思った」

「おつ」



まつがやって来て、俺はようやくこの恐怖感から抜け出せた。




そこに、阿吽も登場。



及川は相変わらず顔が真っ青。








「なんでお前そんなに顔青いんだよ」

「……ﾍﾞﾂﾆﾅﾆﾓﾅｲ。ｱﾉｺｶﾞ月島ｸﾝのｶﾉｼﾞｮﾀﾞｯﾀﾅﾝﾃ俺ｼﾗﾅｲ」


及川は、ありえないぐらいの片言で言った。



が、それはあまり気にならなかった。







なぜなら、



「は！？お前知ってたのかよ！！！早く言えよこのクソ！！！！」

「クソ！？」


内容がな！！！！！！！！！
まじ及川ふざけんなよ！！！！！！！！早く言えや！！！！！！！











が、俺の葛藤も知らずに呑気に話す3人。



「つか、あの月島に彼女いたんだな」

「及川でさえこの前振られたのにな」

「まっつん？」

「さーせーん」

「ま、とりあえず帰んべ。」

「……おう」






なんか、死ぬほど疲れた。





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