生意気と後輩 ページ28
伊「はぁ…」
伊地知潔高は小さくため息をつきながら、キリキリと痛む胃を摩った。
今日は実習があるのだが、初めて2年生と合同であり、更にはいつもよりレベルが高いと聞いていたからだ。
しかし、胃が痛む理由はそれだけでは無い。
合同と言っても、全員で行くのではなく1、2年でペアを組んでそれぞれ別々の場所に行くことになっているのだ。
「ペアどうする?」
「俺らが選べんの?」
2年生より早く集合した1年生の間ではそんな会話がされている。
伊地知は会話に参加はせず、顔色を悪くしながら二人の横に立っていた。
「ま、龍神さん以外ならどっちでもいいや」
「じゃあ俺は灰原さんで!」
二人の会話を聞いていた伊地知は、やはりそうなるか…と心の中で呟いた。
こっちがペアを選べる場合、確実に自分のペアは龍神Aになることが決まってしまったからだ。それはこの実習の話を聞いた時から薄々予想はしていた。
龍神Aの第一印象は"ヤンキー"
入学して数ヶ月、何度か体術の授業などを合同でやったことはあるが、いつもサボるか、遅刻してくる。そして参加しても自分がしたいことしかやらない。
2つ上の先輩である、あの五条悟にも生意気な態度で接している。
なるべく関わらないように生活してきたが、遂に嫌でも一緒に実習に行かなければならないのだ。
「お、早いなお前たち。そろそろ2年生も来るはずだから」
そこに自分たちの担任がやってきた。
「今日は1年中心の実習で2年生はサポートだ。一緒に行くとしてもメインは1年だから、ペアはこっちが決めていいらしいぞ。3人で話し合って決めろ」
担任の説明に、伊地知は「そんな」と心の中で泣いた。
「あー、伊地知…俺は灰原さんと一緒だとやりやすいんだよな」
「俺も七海さんとだと調子いい気する」
自分に拒否権など存在しない雰囲気に、伊地知は引き攣りそうな口元を無理やり上げた。
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涼羅 - 最高すぎます! 夢主くんの不器用な優しさが大好きです!このまま全員で幸せに暮らしてくれー…(;;) (11月6日 20時) (レス) @page34 id: e29423faae (このIDを非表示/違反報告)
mami(プロフ) - すごくすごくすごく面白かったです!!!! (2023年2月20日 1時) (レス) @page34 id: a8940d6b3a (このIDを非表示/違反報告)
M - ハピエンサイコーです!!!!面白かったです!! (2022年11月9日 22時) (レス) @page34 id: 4b18ae76aa (このIDを非表示/違反報告)
来世はマカロニになりたい - めっちゃこの小説大好きです!!!番外編とかちょー好きです!!!!!!! (2022年3月27日 18時) (レス) @page34 id: ce524a8807 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 最高に面白くて良かったです! (2022年2月6日 12時) (レス) @page34 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年2月27日 3時