page6「歩道橋」 ページ7
2年前の話を何度考えたって、何も変わらない。
『もしも』の話なんてしたって姉は救えない。
泣いたって姉が生き返る訳ない。
そんなこと分かってる。
わかってても、考えてしまうのが事実だ。
それほど、姉の存在は私にとってとても大きかった。
考えていることに終わりが見えそうにないので、
今までの考えを吐き出すように、溜息をつく。
_______何か飲もう………
一旦、乾いた喉を潤そうと思い、冷蔵庫へ。
何か飲めば考えることも、少しは落ち着くだろう。
そう思いながら、冷蔵庫を開ける。
するとヒンヤリと冷たい冷気が溢れ出す。
そしていつも置いてあるお茶を取ろうとしたが、
その姿はなかった。
「……嘘…」
いつも置いてあるのに、と思ったが
昨日飲み干したことを思い出す。
この際 水でもいいが、水がすきではない私には辛い。
_______買いに行くか…
正直、こんな晴天の日に出かけるのは気がひけるが、仕方ない。
近くにある上着を羽織り、財布とスマホを持って家を出る。
近くにスーパーがあるわけではないので、
スーパーよりは近いコンビニに向かう。
少し歩くと交差点が見えてきた。
いつものように車が飛び交っている。
信号が赤になっているのを見て、私は歩道橋を上る。
急いでる訳ではないが、あまり外にはいたくなかった。
上がっている途中、今日は休日なのか子供連れの親子が私の前を上がっている。
どこかに行くのか、2人の子供はとても楽しそうにはしゃいでいる。
それを横目に通り過ぎる。
その時、2人の子供は追いかけっこを始めたのか、
キャッキャ言いながら階段を上ったり降りたりしながら走り始める。
子供に当たると危ないので早足に上がろうとすると、
前にいた1人の子供が、
私に当たった。
どう考えても体格差があるので
そのまま子供は下へと落ちて行くだろう。
刹那、その後の光景が頭に浮かび、
咄嗟に、私は落ちる子供を庇うように抱きしめた。
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そして、そのまま歩道橋の階段から真っ逆さまに落ちて行った。
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雨中と猫。(プロフ) - ちょこさん» うわああああんすみませえええええんがんばります (2022年2月10日 2時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2021年12月20日 22時) (レス) @page49 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - いちごポテトよーぐるとさん» 返信が遅くなりすみません!めちゃくちゃ嬉しいです、現在別作品「笑えないって」リメイク更新中ですのでもう暫くお待ち下さい!! (2021年12月9日 18時) (レス) id: dcb807c257 (このIDを非表示/違反報告)
いちごポテトよーぐると(プロフ) - 色々な感情で涙が……とても面白かったです…。更新待ってます、! (2021年8月17日 0時) (レス) id: 33ba1212be (このIDを非表示/違反報告)
雨中と猫。(プロフ) - 眠夢_さん» うわああああありがとうございます!!今メインで書いている「笑えないって」という小説のリメイクを行っていてそちらが落ち着き次第こちらも更新しようと考えております!絶対完結はさせますので何卒ー!! (2021年8月13日 3時) (レス) id: 6b41ff11b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨中と猫。 | 作成日時:2017年4月29日 2時