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第四章 1 夏休み明け ページ27

「おはよー」
『おはよ』



長い夏休みが明けた今日の学校はなんだか新鮮な感じがした。部活で来てはいたけれど、バレー部以外の人達に会うのは久しぶりで



「おやおやおやー?」



ニヤリと笑いながら私の前の席に座った夕夏は少し見ない間に肌は小麦色に焼け、なんだか大人っぽく見えた



「なーんかA、可愛くなったんじゃないー?」
『え、そう?』
「ひと夏の恋しちゃった?」
『え!?そんな、する暇ないよ。部活だったし」



ドキリと揺れた心臓を誤魔化しながらそう言えば、ふとできた影に見上げると那智がいて



「夏は人を成長させるからねぇ」
『おはよ』
「はよ」
『そういう夕夏はどうなの?なんか大人っぽくなった気がするし』
「私?」



そう言うと、うーん、とわざとらしく斜め上を向いた彼女は



「振られちゃった」



そう言って笑った


ドキリと揺れた心臓



『え…』
「テニス部の主将?」
「そう、好きな人いるんだって」



そんなの、辛いはずなのに…

どうして笑っていられるの…?



『痛っ』



すると突然額に刺さった夕夏の人差し指



「なんでAがそんな顔してるの」
『あ、ごめん…だって…』
「まぁ、薄々わかってたからさ。それでも告白したのは私だし」



好きな人が誰かを好きだとわかってて告白するなんて、ただ悲しくなるだけじゃないのだろうか


そういえば赤葦くんも言ってた、私がクロ先輩のことを好きだと知ってて告白したって


実らないってわかってて告白するなんて――…



「散々泣いてスッキリしたからさ、そんな顔しないでよ」
『ごめん…』
「でもなんか意外だったかも。Aってもうちょっとアッサリとしてるかと思った」
『え、』



確かにそうかもしれない。以前の私ならきっともっと違う対応していたかもしれない


けど、今は多分――…恋をすること、人を好きになることを知っているから


第三者からの目線じゃなくて当事者に自分を投影できてしまっているからだ



『よし、じゃあ今日はどこか行こうか!』
「え?」
『今日は部活もないしさ、夕夏が行きたいところ!那智も行くよね?』
「うんいいよ」
「どうしたのA」
『こういう時はね、楽しいことするのが一番なんだよ』
「はは、何それ」



もしかしたら必要なかったかもしれない。けれども少しでも彼女に何かできたらいいなとそう言った



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成田(プロフ) - かおりさん» こんばんは!コメントありがとうございます!嬉しいです✨結構長かったと思うのですが一気に読んでくださったんですね!ありがとうございます!更新頑張りますので、また読んでくださると嬉しいです✨応援ありがとうございます!! (6月26日 23時) (レス) id: 44d50683fe (このIDを非表示/違反報告)
かおり - 最高すぎて三連休を使って一気読みしてしまいました🥹❤️続きが楽しみすぎて楽しみすぎて🥺更新大変かと思いますが応援してます☺️🫶 (6月26日 10時) (レス) @page42 id: c82b12eeb8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるの嬉しいです✨更新できるだけ頑張ります✨ (2023年2月8日 15時) (レス) @page2 id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 好きすぎて更新が待ち遠しいです😍😍どのキャラもかわいい🎀 (2023年2月8日 0時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成田 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年2月7日 23時

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