君を振り向かせるのは５【HQ】

８　木兎くんの話 ページ3

木兎side



Aと初めて会ったのは夏の梟谷グループ合同練習でだった


赤いジャージに身を包んだ女の子、去年まではいなかった音駒のマネージャーだった


可愛いな、ただそう思った


背が高いなとか細いなとかは言われてみればそうだなといった感じで、とにかく、可愛い、それが第一印象だった


最初はいつも黒尾の隣にいる印象が強くて、黒尾の隣にいない時はだいたい烏野の美人マネージャー清水さんの隣にいる


明るくて、笑うと可愛い子


そのうち黒尾や清水さんじゃなくて俺のところに来ればいいのにって思うようになった


第一回目の合宿の夕飯時、風呂上がりの俺をかっこいいと言ったことがただ単純に嬉しくて


それと



「なぁ、赤葦、Aの足って触ってもいいと思う？」
「は？」



あんな足見せられたら触りたくなるのも当然で



「怒られるかなぁ、触ったら」
「当たり前でしょ。何考えてるんですか」



赤葦にスゲー睨まれた


赤葦ってこういうところうるさいんだよなぁ



「だーって、触りたくなんだろ、あれ」
「やめてください」
「ったく、赤葦はホント堅ぇーなぁ。あれ見て触りたくなんねーの？」
「なるに決まってるじゃないですか」



そう言った赤葦の返事が意外過ぎてびっくりした


なりませんよ、という答えが返ってくると思ったのに


いつも白福の胸の話とかすると何言ってるんだとか興味ないとか言ってるくせに



「お前もしかして足フェチ？」
「別に違いますけど」
「じゃあ何フェチ？」
「はぁ？別に何フェチでもいいじゃないですか」
「えー気になるー」
「どうでもいいですよ、そんなの」



なんだか珍しいことが起きたな、ただそう思った




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