【文スト】ナカハラですが

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「実は近頃、マフィアに喧嘩を売るような真似をする輩が居てねえ」



一気に張り詰めた空気、何となく背筋が伸びた

私もナカハラさんも、首領に向き直って表情、意識共々引き締める


「首領、それって」


ナカハラさんが口にした或る組織の名

首領は小さく頷いたそれは、私もよく知っている

マフィアほどではなくとも、そこそこ大きな規模に成り上がった組織で、ポートマフィアとの縄張り争いに勤しんでいるとも耳にしたことがあった



「彼らは少し力を付け過ぎてきていてね、潰すなら今のうちに限る、そこでだ」



こちらを捉える首領の目

映り込むのは、ナカハラ二人

あくまで軽い感じの口調にも関わらず、その声は部屋に酷く冷たく響いた



「ナカハラ君、君に彼らの殲滅の任務を課す」

「お任せ下さい」

「それから……ナカハラ君にそのサポートを頼みたいのだけど」



え、と反応を起こす前に固まった体

私が、ナカハラさんの、サポート？

唯一自由の利く視線で首領に聞き返せば



「ナカハラ君なら、彼らの詳しい情報をたくさん持っている筈だよねえ？」




首領が笑っている

鋭く光る瞳が笑ってない矛盾した笑顔で、にこやかに笑っている

とてつもない笑顔に射すくめられて思う

流石はポートマフィアの首領様だ




「どうかな、ナカハラ君？」




首領の恐ろしい笑顔と語気を受けて、背中を伝う冷や汗、引き攣る表情筋

思わず、この首を縦に



「……えっと、ナカハラさんのお手伝いは、ちょっと嫌ですね」



＿＿＿否、一筋縄では振ってやらない



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