【文スト】包帯アレルギー

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「な、治すって……どうやって……」



そんなの、私が聞きたいよ

" 包帯アレルギー " だなんて、まるで私への当て付けのようなそれは、一体どうすれば君から去る？

頬を赤く染めて期待させて、瞳を涙で濡らして煽ってきて、ああ全く、愛おしくてずるいのだから



「ふふ、そうだねえ」


全ては、あの日、あの川辺から始まった

必死になって私を助けた後に見せた、君のあの木漏れ日のような微笑みから

私の、君への想いはあれから膨らむ一方だ

お陰でもう胸がいっぱいだよ、どうしてくれよう

君は責任を取らないつもりかい？



「少しずつ慣れていくしかない、かな」

「す、少しずつ……？ そ、れって……」

「ほら、まずは」


びくりとAちゃんの肩が揺れた

やり場を失くした潤んだ目線が、私の顔と手元とを忙しなく行き来して



「だざい、さん、何して……」

「何って、……手を繋いでるだけだけど？」

「それは判ってます……！」



手には包帯を巻いていないのだから、こうして触れてみたって、指を深く絡めたって

別に何ともない、筈でしょう？

困ったように私を見上げるAちゃんに、悪戯に笑って見せた


「Aちゃんの手、小さいね」

「太宰さんが大きいだけ、です」

「守ってあげたくなるような手だ」

「大丈夫、ですから」


そもそも初対面から太宰さんを助けたのは私の方だ、なんて反論がとっても愛らしくて

柄にもなく笑みが溢れて止まらない


「うん、そうだったかもね」


お陰で君にぞっこんなのだけど

君のことだ、そんなの夢にも思ってないのだろう、私が呟くと君は少し不服そうな色を宿した


ああ、もうそろそろ、放してあげなくちゃ

壁に追い詰めっ放しだったAちゃんの手を引いて、共に壁際に並んで腰掛けた

後少しすれば、国木田くんが「遅い！」と駆け込んでくる頃合いだ

だから最後に、一つだけ



「ねえ、知ってるかい？ 私の予言は外れたことがないのだよ、一度もね」



「それで予言するのだけど」って、この台詞この流れ、この間合いに君を惹き込んで

君に宣戦布告をしよう



「包帯アレルギーは必ず治る」



治してあげるよ、私が

Aちゃん、君の中に宿る羞恥心も意地も、全部一つずつ取り払って、ね


そしたら＿＿＿＿



＿＿＿＿そしたら、その暁には今度こそ君を



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