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武装探偵社に入社して一ヶ月、この人はこうして毎日毎日私に構ってきた
＿＿＿それは、今日も例に漏れず
「だ、太宰さん」
「やだ」
「拒否するのが早いです……」
「離せと云われて離す莫迦は居ないよ」
先程の宣言通り太宰さんは私を離さない
それどころか、時々私にちょっかいを掛けては、その反応を楽しんでいる
「太宰さん、あの」
「逃げちゃだめ」
隙を突いて逃れようとした私を、太宰さんの腕は許してくれず
一寸たりとも離れることすら出来ないまま、むしろさっきよりぐっと体を引き寄せられて
強く、でも優しく、ぎゅっと抱き締め直されて
太宰さんの息遣いまで聴こえる
再び厭って程甘い香りで胸が一杯になる
どきり、と鳴った心音を合図に固まっていると、太宰さんが小さく笑った
「ふふ、可愛い」
ああもう、また心臓がおかしくなる
心拍が跳ね上がって、周りに聴こえてしまいそうなくらいうるさくなって、胸がざわつくこの感じ
落ち着かないのを誤魔化すように呟いた
「太宰さんの、莫迦」
「ありゃ、心外だなあ」
一回目は軽く笑って受け流されて
でも、もう一度同じことを口にすれば
「こうして君を腕に収められてる以上、莫迦では無いと思うのだけど？」
今度は、少し低い声で云い返される
揺さぶりが上手くて、私を簡単に振り回す太宰さん
＿＿＿＿私の気も知らないで、なんて
何とか自由の利く右手でこっそり、騒がしい胸もとをギュッと抑えた、そこへ
「おい貴様ら、いい加減仕事をせんか」
ゆらりと大きな人影＿＿＿国木田さんが、ドスの効いた声で私たちの前に現れた
否、国木田さんの姿をした鬼のお出まし、と云った方が的確かもしれない
「ご、ごご、ごめんなさい……！」
怯えてすぐさま謝罪を口にする私
国木田さんの鋭い視線は本気で痛いのだ、けれど、そんな私とは対照的に太宰さんは
「まだAちゃんが足りないから働けなーい」
依然呑気な様子でそう返事をした
瞬間、国木田さんの、もともと恐ろしかった表情が引き攣り始めて
さっきまでとはまた違った意味でドキドキする
「ほう、そうか」
怒鳴るでもがなるでもない、静かな相槌
嵐の前の静けさの様に思えて、次に何を云われるかと両手を握り締めて待った、その結果
「ならばAと二人でなら、仕事するんだな？」
「……えっ、今、何て」
「ふふ、話が判るね国木田君」
事態は思わぬ展開を迎えてしまった
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桜月(プロフ) - 完結、おめでとうございます！！太宰さんの仕草や言動のひとつひとつにすごく胸がきゅっとなって、、めちゃめちゃキュンキュンしました！とても読んでいて楽しかったです！！ (2021年10月11日 0時) (
レス) @page28 id: cb743e60b6 (このIDを非表示/違反報告)
千桜里 - はじめまして！太宰さんの心情や行動にとてもドキドキしました！！本当に面白かったです！ (2020年9月29日 12時) (レス) id: d647e09f50 (このIDを非表示/違反報告)
ヲタ娘(プロフ) - はじめまして。ヲタ娘です。すごく胸がキュゥ……として、フワフワっとしました！ とっても面白いです！ (2019年3月4日 20時) (レス) id: 737d873cb6 (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - 完結おめでとうございます！リクエストよろしければその後の話が読みたいです。お願いします。 (2018年3月7日 6時) (レス) id: 54de0e772b (このIDを非表示/違反報告)
月ノ輪(プロフ) - 完結おめでとうございます！すっごく可愛くて胸きゅんばっかしでした！他の作品も楽しみにしています♪ (2018年2月22日 13時) (レス) id: 3aab0973d9 (このIDを非表示/違反報告)
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