48話 ページ50
そういえば侑…
なっちゃんとキスしてたな…
ふと思い出してしまった
私の時はあんなに早くなかったのに
「な、なぁ…」
「！…な、何…」
「は、早よ！戻らなあかんから俺…」
「あ、ああ…！ごめん…付き合わせて…」
「いや、別に…俺から言うたことやし…」
「じゃあ…」
変に緊張した互いの手をほどこうとすると
「ま、待て！皆と会うまで…このままで帰りたい」
「…分かった」
なんで私コイツのワガママ聞いてるんだろ…
けど
そう言って貰えて凄く嬉しい自分がいる。
「俺、まだ考えてもうてんねん…お前のことを」
無言で歩いていてしばらくしてから侑がポツリポツリと話し始めた
「もう終わった後やのになんや分からんけどお前がまだ俺ん中に、底にちゃんとおんねん…」
「せやから、その…なんちゅうんか…」
「やめてよ、侑。その先は言わないで。」
驚いた顔で思い切りこちらに顔を向ける
「なんっ「じゃあ、なんで私にすぐキスしてくれなかったの！？」
「はっ……？」
このまま誰も来なくていい
いつもなら絶対に思わない。でも今は、今だけは！
侑とちゃんと話したい……！
そう願っている時に限って
「あれ？侑…とA…？」
「ッ！」
ダッ
「あ、おい！Aッ！！」
なんでッ！なんでッ！なっちゃんが今出てくるの！？
「ハァッ！ハァッ！
」
「ッ！俺は！期待してええんか！！」
侑が大声で離れていってる私に聞いてる
期待も何も無いよ…！
最初から構って欲しいぐらい好きだったんだからっ！
運命は本当に残酷だ………
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作者名：(名前) | 作成日時：2020年5月3日 19時
