45話 ページ47
ドアに手をかけたその時
ドンッ!
自分の足元に何かがぶつかってきた
「きゃっ!」
「ふえぇ〜ん!!マァマァ〜!」
「えっ?どうしたの?迷子になっちゃったの?」
. .
全力で首を何回も横に降る男の子
「ま、迷子じゃないの??」
「ヒック!ぼ、僕が…勝手に逃げ、た…」
「………」
「お兄ちゃん、の、かっこ、いい所みれ、るって言われて…ヒック…来たけど僕はママにかまわれたかっ、たから」
「わざと、逃げた…ヒック」
何故だかよく分からないけれど妙に懐かしい気持ちがした
「ママ、を困ら、せたかっ…た…」
なんで、だろ…
この子の気持ちがすごく良く分かる
小さな頃にこんな感情を抱いたことはなかったのに
いつ…どこで…誰に抱いたの…?
「偉いね、正直に言って偉い…」
頭を撫でるだけだったのに気付いたらギュッと抱きしめていた
「お、お姉ちゃん…?」
この子は私に似てる
でも
私より強い
「君は逃げなくて偉いね…」
自分がしてしまった行動の本当の原因が分かってる
「ありがとう…ママ一緒に探そうか…」
ガチャッ
後ろの男子トイレの扉が開く
そして
「うわっ、お前ほんまに来たんか…」
お決まりの嫌味ゼリフ
「ほんっとキミもタイミングよく私の所に来るよね」
「侑。」
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作者名:(名前) | 作成日時:2020年5月3日 19時