35話 ページ36
何も聞こえない…
暗い…
「どこ…?ここ…なんだか息苦しい」
コツ…
誰かいる…?
ぼんやりとした人影が近付いてくる
「え、な、何…?誰なの…?」
人影は私の目の前に来ても何も言わないまま手を伸ばしてきた
「い、嫌!!!」
バシッ!
「いったぁ!!」
「へ…!?あ、…ご、ごめん治君!」
「強烈な平手打ちやったわ、こりゃ敵わんな」
「ホントにごめんなさい…。」
「プッ!嘘に決まってるやん、バレーの練習とかと比べたら全然やわ」
自慢気な顔で笑いながら話す彼
「フフッ、自慢気に言われてもなぁー」
「凄くうなされとったけど、大丈夫なん?」
「ああ、うん…ちょっとね…でももう大丈夫!というか此処保健室だけどもしかして…」
「おん。俺が運んできた」
「やっぱり!?そっか…ごめんね、私急に意識が…って叩かれた所やっぱり赤くなってるじゃん」
「ん?よく見たら他の所も擦り傷とか…」
「うおっ!急に顔近づけんなや!」
「えー、そんなに拒否るかな普通…まぁいいや!今度は私が手当てするね♪」
「はぁっ!?やめろや!俺消毒とか大嫌いやねんぞ!」
「なーら日頃してない分しないとね〜、大丈夫だよ治君〜」
「バカにしよって…ハァ…まあええわ」
「アハハッ、偉いね!それじゃあ最後まで頑張ってね、もし怖かったら抱きついてもいいよ」
「誰がするかアホ…」
「やだなぁ〜、冗談だよ冗談」
治君の前では凄く気を緩めて話せてしまう
友達になれたからかな
私の唯一の友達
ありがとね…治君…
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作者名:(名前) | 作成日時:2020年5月3日 19時