白情【宮侑】 (ページ24)

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24話ページ24

「ほい、おまたせや」

出来立てのパンを渡す

「ごめんね、ありがとう。」

申し訳無さそうな顔でパンを受け取るAさん

なんであんなんなっとったんやろ…

もしかしてアイツなんかしたんか

俺がパンにガッつきながら色々と考えていると

「～ッうぅ」

「え…！？」

隣から振り絞るかのような、泣きたいけど我慢するかのような声が聞こえてきた

「…ヒックッ、ご、ごめん…また泣い、ちゃって…」

俺はなるべく我慢して目立たない様に泣いているAさんを安心させたいと強く思った

「泣いてええよ…」

「で、でも…ヒックッ」

「バカやろうー！」

「！！」

「誰のことを思ってか知らんし、聞かへんけどごっつ発散しとったんちゃうの？」

「～～ッ！」

「ええやん、発散しても。頑張っとったんやったら」

Aさんは俺の言葉を聞いてからワンワン泣きだした

ほんまに子供みたいや…

この子がどんな子か全然知らん。知っとるのはアイツの彼女で大人しい子っていうイメージだけや。

けど、ほっとけんかった

凄く傷ついてしまった様な顔をしてたから

睨んでいたけど助けを求めている寂しそうな目やった

助けてあげな…。

直感でそう感じたんや