奇術師の妹だったら！？番外編【HUNTER×HUNTER】

価値観の違い4 ページ17

この村にいたプリデ一族は狩り尽くした。だが女子供の姿は無く、人数も予想より少なかった。

全員が円で気配を探ってみるも近くに人はいない。


「全員殺すんじゃなかたね。拷問するべきだたよ」

フェイタンが舌打ちをした。


「そうだね。失敗した」

シャルナークも残念そうな表情。


おそらく、髪が赤くなり、悪いことが起こると察したプリデ一族はまず女子供を村から逃がした。そして、男が半分ほどこの村に残り防衛戦を行ったのだろう。


「仕方ない。それでも充分な数だ。回収しよう」

クロロの一言で全員がしゃがみこみ頭皮ごと頭から剥ぐ。髪の毛1本1本抜くのはアジトに返ってから。





『好きー、嫌い、好きー、嫌い』

ブチッ、ブチッ…。



先程の廃屋に戻り髪の毛を抜いていく。

ウボォーギンは不器用というか、細かい作業は苦手というか、すでに飽き始めた様子。

そのウボォーギンに引けを取らない遅さでAは1本1本丁寧に抜いていく。

不器用だとかそういうことでは無く、単に遊びながらやっているため遅くなっているのだった。


爪の間に血が入り込み、周りは血だらけ。さらに言うなら先ほどのプリデ一族との戦いで顔にも服にも血が飛び散っている。

その光景は小さな子どもが赤いお花に囲まれてお花で、好きな人は自分を好きなのか、嫌いなのか、占う遊びを楽しそうにやる微笑ましい様子に見える。それが本当にお花であるならば。

実際に持っているものは頭皮で、辺り一面血だらけだというのに、花の香りがするのはなぜなのだろう。

殺伐さと、のどかさが混じり合うアンバランスな空間は些細なきっかけで崩れてしまうに違いない。



「A遅すぎ。何を占ってるの？」

ふっと空間が乱れて廃墟が戻ってきた。辺り一面の花畑は血の海に、お花は頭皮へ、少女は少女のまま。

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