英くんが今日も愛しい【国見英】

52.所有 ページ18

・



毎週土曜日、
英くんは家に泊まりに来るようになった。

特に日曜日に用事がなければ昼くらいまでゆっくり寝て、
そのあと何処かへ遊びに行ったり行かなかったり。


もちろん、お互い(ほぼ私だけ)友達との遊ぶ予定が
入ってることもあって毎週日曜一緒にいるって訳でもない。



今日も今日とて、時刻はもう昼の10時。

隙間から陽光が差すカーテンは閉めたままで、
後ろから抱きしめられたまま携帯を弄っている。


お互い何も身に纏っていないから、
背中に体温が直に伝わって、ぽかぽかと眠たくなってくる。


今度鬼滅の映画観に行きましょうよ、という
白布くんの誘いにOKの返事をしていると、

英くんがもぞもぞ動いた。



『起きたのー？』

「………」



あれ、もっかい寝た？

いや、この感じは違うな、
腰に回された手の力が強くなった。


とはいえ確認しようにも、
背中側からガッチリホールドされていれば

振り返れるわけもない。



『っや、⁉』



諦めて携帯を弄っていると、
首筋にかぷ、と甘噛みされた。

そのまま強く吸い付かれる感触があって、
マーク付けられてるんだって分かった。


最近漸く分かったのは、
これをする時は、大抵嫉妬してる時ということ。


大方、白布くんとのLINEが見えたのだろう。



正直マーク付けられるのは、
見えちゃうから好きじゃないんだけど…



「……Aさんのばーか…」



肩に顔を埋めてふがふがとそんなことを言われて、
可愛い以外言葉は出てくるはずもない。




『わっしょい…』

「なんか言った？」

『わっしょいって言った』

「何でわっしょい？」








・




ーーーーーーーーー




☆そろそろ終わりの予感______





・

53.やりたいこと→←51.さむい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す